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園子温監督、「『愛のむきだし』『冷たい熱帯魚』以上」と自信 「エッシャー通りの赤いポスト」日本プレミア

2021年12月7日 15:30

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園子温監督が役者の卵たちと創り上げた遊び心と映画愛あふれる最新作「エッシャー通りの赤いポスト」(12月25日公開)のジャパンプレミアが12月6日に都内で行われ、藤丸千黒河内りく、モーガン茉愛羅、山岡竜弘小西貴大、そして園子温監督が出席した。

すでに、世界13の国際映画祭で上映され、第49回モントリオール・シネヌーボー映画祭で観客賞を受賞。本日が日本初披露となった本作は、ワークショップに参加した役者たちと、鬼才のカリスマ映画監督・小林正の新作映画のオーディションに参加した有名無名の役者たちそれぞれの物語が”赤いポスト”を起点に展開していくという物語。

2019年に心筋梗塞で生死の淵をさまよった園監督は、身体の回復を進める中で本作の製作のきっかけとなるワークショップを実施。園監督は「改めて新人としてピュアな気持ちでやりたいと思ったときに、ワークショップに参加した51人の俳優のパワーと熱意を感じて、映画を作ろうという気持ちになった」と製作経緯を明かし「ピュアな気持ちで作ったのが良かった。みんなが『素晴らしい』と言ってくれるのは、そのせいかもしれない」と無垢な映画愛を詰め込んだ結果生まれた力作であると胸を張り、「2年越しにやっとここまで来ました。『愛のむきだし』や『冷たい熱帯魚』以上。僕にとっての最高の映画が出来ました。自信作!」と断言した。

出演したのは、ワークショップに参加した51人の俳優の卵たち。園監督は自身の名前を一躍世に知らしめた映画「愛のむきだし」について「あれもワークショップから生まれた作品。参加者の中に当時無名だった安藤サクラがいた」と回想し「それと同じように、今ここに並んでいる人が数年後にビッグになる時が来るかもしれない。それを僕は期待している」と次世代スター誕生に期待。それだけに製作に当たっては「金の卵を見つけたいという真剣な思いがあり、まさに真剣勝負だった。めったにならないような緊張感があって、原点に戻ったような情熱を持って厳しく演出しました」と振り返る。

殺気だったワケアリの女・安子役の藤丸は「配役を得たときは、緊張よりも嬉しいが先に来た!」と喜色満面。俳優志望だった亡き夫の遺志を継いでオーディションに応募する切子役の黒河内は「撮影中に二十歳を迎えて、それをみんなが祝福してくれた」と忘れられない思い出に。映画監督の小林を支える恋人の方子役のモーガンは「配役の知らせを受けたのは電車内。嬉しすぎて一旦電車を降りてホームで喜びを噛みしめた」と初々しい。小林監督役の山岡は「撮影期間が3日間というのが信じられないくらい濃密な日々でした」とまさに青春。助監督のジョー役の小西は「配役も挙手制で決まっていったので、女性には熾烈な争いがありましたね!」と暴露した。

撮影中に園監督が急にイメチェンして、モヒカンヘアで現場にやって来たことがあったという。その理由について山岡が「本来撮影するべきシーンを撮りきれず、僕らへの謝罪の気持ちを込めての断髪だと当時、監督が話してくれました」と園監督の真摯なハートに感激すると、すかさず園監督は「そんなこと言ったっけ? 単に暑かったからだと思うな(笑)」と真夏ロケの暑さのせいだと判明。謝罪の気持ちだと思い込んでいたキャスト一同は「ええ?」と同時に驚き、会場を笑いで包んでいた。

映画「エッシャー通りの赤いポスト」は、12月25日全国公開。

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