「エターナルズ」に「アベンジャーズ」とは正反対のこだわり マーベル社長も「本当に感動」
2021年10月27日 13:00
アベンジャーズに次ぐ新たなヒーローチームの活躍を描くマーベル映画「エターナルズ」。 「ノマドランド」で知られ、本作のメガホンをとったクロエ・ジャオ監督は、これまでの「アベンジャーズ」シリーズとは異なり、実際にある自然を最大限に生かしたロケーションで撮影を行ったことを明かした。
本作は、アベンジャーズが誕生するよりもはるか昔から地球に存在し、何世紀もの間、人知れず人類を見守ってきたエターナルズの物語。10人の守護者たちはそれぞれ世界各地で現代社会の中で静かに暮らしていたが、「アベンジャーズ エンドゲーム」のその後、アベンジャーズがいなくなった地球に、サノスをも超える未曾有の脅威が人類に迫る。
「アベンジャーズ エンドゲーム」の終盤、これまで描かれてきたスーパーヒーローたちが集結した戦闘シーンは、過去作と比べても最大級の迫力で描かれている。戦闘シーンは、グリーンバックを背景にしたスタジオセットの中で撮影されており、劇中では高度なCGやVFXによって実際にキャラクターがその場で戦っているような臨場感を味わえる映像となっている。
本作でも映像技術はたくさん使われているが、7000年間地球を見守ってきたヒーローを描くにあたり、地球の姿をよりリアルに捉えるために、実際の自然を最大限に生かすロケーション撮影にこだわった。ジャオ監督は「マーベルはここでリスクを取ってくれたのだと思う。というのも、ロケ地で広角レンズを使って撮影すると、ビジュアルエフェクトに影響が出ます」と語る。
そんなジャオ監督のこだわりに対し、マーベル社長のケビン・ファイギは「クロエは実際のロケーション、実物を使うことにこだわっていました。たくさんのCGを使う、すさまじいパワーを持つキャラクターが登場する映画ですが、なるべく広いロケーションで撮りたいと。それが本当に美しかったのを覚えています。きれいな日没、完璧な波、巨大な崖の縁から立つ霧。本当に感動しました」と評価している。
ジャオ監督は、過去作「ザ・ライダー」でも撮影が難しいとされるマジックアワー(日没前、日の出後に数十分程体験できる薄明の時間帯)を狙うなど、演出には強いこだわりを持っている。
本作の主演を務めたジェンマ・チャンは「ほぼ完全に自然光を使ったロケで、ほとんどをマジックアワーで撮影した。間違いなく、ロケーションや地形はこの映画で大きな役割を果たしています。それが複雑に絡み合っているのは、このストーリーが自然をはらんだ文明の成長や、人類や自然がお互いに進化し合ってきた成り行きのストーリーだから。だからこそ、この映画にとって大きな位置を占めているの」と振り返った。
「エターナルズ」は11月5日から全国公開。