「シン・仮面ライダー」主演は池松壮亮、ヒロインは浜辺美波! 庵野秀明監督が起用理由を明かす
2021年9月30日 17:37
映画「シン・仮面ライダー」と展覧会「庵野秀明展」の合同記者会見「シン・仮面ライダー対庵野秀明展」が9月30日、国立新美術館で行われ、庵野秀明監督が登壇。同会見で「シン・仮面ライダー」のキャスト発表が行われ、主演を池松壮亮、ヒロインを浜辺美波が務めることが発表された。
仮面ライダーの生誕50周年を記念した「シン・仮面ライダー」は、71~73年に全98話が放送され、1号&2号とショッカーの戦いを描いた「仮面ライダー」をベースにしたオリジナル作品で、庵野監督が自ら脚本を書き下ろした作品。「庵野秀明展」は、10月1日から国立新美術館にて開催。「庵野秀明をつくったもの 庵野秀明がつくったもの そして、これからつくるもの」というテーマで、アニメーター時代に参加した過去作品、監督、プロデューサーとして活躍する最新の仕事までを網羅し、創作活動の秘密に迫る展覧会となっている。
主人公の本郷猛を演じることになった池松は、松葉杖をついた状態でステージに登場。撮影に向けてアクション練習に励んでいたところ、じん帯を痛めてしまったようだ。「主人公が改造手術にちょっとだけ失敗。でも、撮影には支障はありません」と茶目っ気たっぷりに説明していた。一方の浜辺は、緑川ルリ子役に挑戦することになり、オファーを受けた際の胸中をそれぞれ吐露した。
池松「驚きました。ちょうど1年前にお話をいただきました。庵野さんが『仮面ライダー』を準備しているという事に、ワクワクしました。軽々しく引き受けられるものではないですが、これだけの素晴らしい挑戦――自分もなんとか力を見せられればなと思いました」
浜辺「小さい頃から『仮面ライダー』が好きで、希望のようなな存在でした。その作品にヒロインとして関われること、そして庵野さんが描かれるということ。本当に驚きでしかありませんでした」
庵野監督は、それぞれの起用理由を明かした。
庵野監督「池松君はオーディションを受けてくれて、その時がすごく良かったんです。僕の中での本郷猛は、藤岡弘、さんのイメージが強い。これを踏襲したとしても、自分では消化できない。別のキャラクターとしての本郷猛を作らざるを得なかった。池松君がやるのであれば“違う本郷猛”になってくれるんじゃないかと。浜辺さんは、ヒロインについて悩んでいた時、会社に貼ってあった東宝のカレンダーが目に入ったんです。そのタイミングで載っていたのが、浜辺さん。『この子、いいな』と思ったんです。カレンダーで決めたんですが、『映画 賭ケグルイ』を見たら、すごく良かったので、自分の勘は正しかったなと」
池松にとって思い出深い“庵野作品”は「初めての出会いは『ラブ&ポップ』。夢中になってみましたし、何度か見返している作品です。もちろん『エヴァンゲリオン』も外せませんし、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』発表タイミングで過去作を見返しました。『仮面ライダー』が当時の人々に影響を与えたように、この国の“宝”のような作品だと思います」と回答。浜辺は「ふしぎの海のナディア」を挙げて「小さかったので、庵野さんの作品だとは知らなかったのですが、ナディアちゃんがすごく可愛らしかった。何度も見返していたと思います」と語っていた。
役作りのこだわりについて問われると、池松は「怪我に気をつけること……冗談です(笑)」と発言。続けて「半年以上前になりますが、型取りから始まり、3Dスキャン、衣装が出来上がっていくまでの経過に触れると『庵野秀明展』をじかに見せてもらったような感覚になりました。これは心の準備になりました」と振り返る。浜辺は「今まで触れてこなかったことに、いくつか挑戦する機会があります。その練習とともに、今まで演じたことのない役どころなので、理解を深めている最中です。あとは現場に入り、庵野さんにしがみついて、毎日を乗り越えていきたい」と意欲を示していた。
まだまだベールに包まれている物語だが、池松と浜辺は脚本について、こう述べてみせた。
池松「温故知新といいますか――なぜ、古きものを新しく進化させるのか、いま世界に蔓延る様々な社会問題についての言及が、ぎっしりと詰まっています。なによりとてもタイムリーな内容になると思います。何より格好いいです」
浜辺「まず驚いたのは、第1~4幕にわかれていること。『仮面ライダー』シリーズを見ていらっしゃる方が、疑問に思っている事、『そういえば、ここはどういうことなのだろう?』と感じてしまう事の理由、成り行きが全部書かれています。ページをめくるごとに興奮が高まっていきました」
また「仮面ライダー」そのものへの印象を尋ねられると、池松は「僕は1990年生まれなので、平成ライダーが始まった時が一番タイムリー。ヒーローものがすごく好きだったので、よく見ていました」と告白。今回の「シン・仮面ライダー」では「色々な解釈でヒーロー化し過ぎたものを、もう一度人間的なものに少し戻せたらと考えています」という思いを込めているようだ。
幼少期に「仮面ライダー」にハマっていたという浜辺。今でも7歳下の弟とともに、同シリーズを楽しんでいるようだ。「解釈を深めていくことで、新たな格好いい部分が見えてくる部分に魅力を感じています。今でも毎年映画を見ています。戦う様子、戦う理由を見つけてさらに一段階進んでいく姿に、今でも勇気をもらっているんです」と話していた。
「シン・仮面ライダー」は、2023年3月に公開。「庵野秀明展」は、国立新美術館(企画展示室1E)にて、10月1日~12月19日に開催(毎週火曜日休館、ただし11/23は開館)。
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