マット・デイモン×ベン・アフレック、24年ぶりの脚本タッグ「あの頃とは全く違うプロセス」
2021年9月22日 12:00
「ブレードランナー」「グラディエーター」などで知られるリドリー・スコット監督最新作「最後の決闘裁判」。「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」以来24年ぶりにタッグを組んで脚本を担当したマット・デイモンとベン・アフレックが、脚本制作秘話を語った。
本作は、スコット監督がデイモン、アダム・ドライバー、ベン・アフレックという豪華キャストを迎え、歴史を変えた世紀のスキャンダルを描く実話ミステリー。中世フランス、騎士カルージュの妻マルグリットが、夫の旧友ル・グリに乱暴されたと訴えるが、彼は無実を主張し、目撃者もいない。真実の行方は、夫と被告による生死を賭けた“決闘裁判”に委ねられる。勝者は正義と栄光を手に入れ、敗者は罪人として死罪になる。そして、もし夫が負ければ、マルグリットも偽証の罪で火あぶりの刑を受けることになる。人々はカルージュとル・グリ、どちらが裁かれるべきかをめぐり真っ二つに分かれる。
デイモンとアフレックがハリウッドで活躍するようになったきっかけは、共同で脚本を手掛けた「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」で第70回アカデミー賞脚本賞を受賞したこと。2人共に俳優としても出演し、デイモンはアカデミー賞のほか、ゴールデングローブ賞、全米映画俳優組合賞で主演男優賞にノミネートされた。同じ夢に向かって切磋琢磨した長年の親友同士が、長い時間をかけて作り上げた脚本と演技で、一躍世間の注目を集めるアメリカン・ドリームを掴みとった。
本作では、そんな彼らが24年振りにタッグを組んで脚本を手掛けたというのも大きな見どころのひとつ。デイモンは、「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」の脚本を手掛けた当時について、「僕たちは20歳とか22歳だった。あの頃はとても非効率的だったんだ。キャラクターのことは理解していても構成というものが分かっていなかったからね。脚本を何千ページと書いても、完成した映画の中では全然使われなかった」と膨大な時間と労力を費やした裏話を明かし、「それがきっと、こんなに長く脚本を書くことから離れていた理由なんだ。2人共忙しくなってそんな非効率なことはできなくなっていたから」と、これまで脚本を手掛けてこなかった理由に言及する。
本作の脚本作りは「あの頃とは全く違うプロセスだった」と振り返り、「物事がとても素早く進んでいくことに驚いた。今回の脚本は6週間くらいで仕上がって……」と制作秘話を明かしている。
脚本の2人から指名される形でメガホンをとったスコット監督は「(デイモンは)とりつかれたように『羅生門』の話をしていたよ。私はひとつの行為が登場人物3人の視点で、それぞれ描かれるというポイントに惹きつけられたんだ」と脚本の魅力を語っている。
登場人物3人の視点で物語が描かれる本作では、決闘裁判に臨む騎士カルージュ(デイモン)とル・グリ(アダム・ドライバー)の脚本パートをデイモンとアフレックが担当し、裁判で闘うことを決断したマルグリット(ジョディ・カマー)のパートを担当する形で、ニコール・ホロフセナーが脚本に加わっている。アフレックは「勇敢で強さを持ったキャラクターのマルグリットに惹かれたんだ。今日的な意味があって、とてもワクワクして、カタルシスや共感をもたらす物語なんです」と明かし、「何が本当のことなのかを知るためにリサーチし、映画にまとめる中で、ジョディ演じるマルグリットのパートを書き上げるには女性が書かなければいけない」と感じていたそう。
24年分の成長を詰め込み、何倍にもパワーアップしたデイモンとアフレックの脚本に、「ある女流作家の罪と罰」で第91回アカデミー賞の脚色賞にノミネートされるなど、高い評価を受けるホロフセナーの脚本がコラボレーションしたことで、三者三様の声を効果的に捉える物語が誕生した。
「最後の決闘裁判」は10月15日から全国公開。
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