「アイ・アム・レジェンド」を理由にワクチン接種拒否 脚本家が陰謀論に警鐘「あれは映画」
2021年8月14日 10:00
新型コロナウイルスのワクチン未接種者を中心に、デルタ株が猛威をふるっているアメリカで、ウィル・スミス主演のSF「アイ・アム・レジェンド」(2007)を理由にワクチン接種を拒否する人々が現れている。
「アイ・アム・レジェンド」は、リチャード・マシスンの小説「地球最後の男」を原作に、アキバ・ゴールズマン(「ビューティフル・マインド」「ダ・ヴィンチ・コード」)が脚本を執筆。ウイルス感染により、世界人口60億人のほとんどが絶滅したなかで生き残った、米ニューヨークでただひとりの生存者ネビル(スミス)の姿を描いた。
現在、ワクチン拒否派のあいだで、「『アイ・アム・レジェンド』では人々がワクチン接種によりゾンビ化する」という事実と異なる話と、それが現実世界のワクチン接種でも起こり得るという陰謀論がSNSで蔓延している。実際、8月6日(現地時間)にニューヨーク・タイムズ紙に掲載された記事では、有名企業が相次いで従業員にワクチン接種を義務化しているなか、「アイ・アム・レジェンド」を根拠にワクチン接種を拒んだ従業員が紹介されている。
この事実を知った同作の脚本家であるゴールズマンは、自身のTwitterに「なんてことだ。あれは映画だ。私がでっちあげた話なんだ。現実の物語じゃない」とコメントし、現実世界のウイルスやワクチンとはまったく無関係であることを強調。陰謀論の拡散に警鐘を鳴らしている。