カンヌ脚本賞「ドライブ・マイ・カー」凱旋プレミア、西島秀俊「幸せな気持ち」
2021年8月13日 11:00

第74回カンヌ国際映画祭で日本映画として初めて脚本賞に輝いた「ドライブ・マイ・カー」のプレミア上映会が8月12日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた。濱口竜介監督と主演の西島秀俊、三浦透子、霧島れいか、岡田将生が上映後に舞台挨拶に登壇した。
カンヌでは脚本賞のほか外部団体が選ぶエキュメニカル賞など3つの賞も獲得し“4冠”を達成しての凱旋。スケジュールの都合で現地に行けず、7月4日の壮行会以来の再会となった西島は「幸せな気持ちになります」と笑みを浮かべた。

だが、司会からあえてカンヌに行けなかったことを告げられると「わざわざ言うことですか。そりゃあ、残念でしたよ」と苦笑。それでも、「すごい監督だとはずっと感じていたけれど、これからもっと世界に認められて傑作を作っていくと思う」と祝福した。同じく居残り組だった岡田は、受賞の一報を聞き「本当にうれしくて、西島さんに初めて連絡しちゃいました」と声を弾ませた。

濱口監督は、昨年のベネチアで監督賞(黒沢清)を受賞した「スパイの妻」の脚本を共同で執筆、今年のベルリンでは「偶然と想像」が銀熊賞(審査員大賞)を受賞しており、1年で世界3大映画祭を“制覇”する偉業。カンヌの脚本賞については、「脚本は映画には映っていないもので、役者の演技を通じて感じてもらった。それは皆さんにも同意していただけると思う」と控えめに喜びを語った。
さらに、「村上春樹さんの原作を映画化することが大きなチャレンジで、キャスティングは一番大事だった。それぞれのキャラクターに精神的に類似した人を選んだ」と説明。そして、「僕自身もすげえなと、驚きながら見ているシーンもあった」と俳優陣を称えた。
西島は、車中での長回しのシーンで向き合った岡田の演技を「すごいことが起きていると感じた。岡田くんの中でもベストの一つですさまじい演技。突出してすごい」と絶賛。濱口監督も「トランクの中でモニターを見ていてすげえなと思った」と太鼓判を押した。岡田は、「僕自身、すごいことが起きていると感じながら撮影した。自分でもビックリ」とほおを緩めた。

その岡田は今月15日が32歳の誕生日で、サプライズでバースデーケーキが登場すると「そうか、俺、誕生日だ。よく見るやつだ」と天然の反応。西島から「これを超える演技をやって、もっとすごい俳優になって」と激励されると、「超える芝居を死ぬまで西島さんに見せようと思います」と誓った。
カンヌの公式上映に立ち会った三浦は、「大きいスクリーンで見ると感じ方が違って、劇場で見てほしいと心底思った」としみじみ。霧島も「心が震えるくらい感動した。心に熱いエネルギーが注がれ、視界がクリアになる感覚だった」と感慨深げに振り返った。
「ドライブ・マイ・カー」は、妻を突然失った劇作家兼俳優が演劇祭で訪れた広島で出会った寡黙な運転手との交流によって傷をいやし、再生への道筋を見いだそうとする人間ドラマ。8月20日から全国で公開される。
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