カンバーバッチが映画化を熱望 アメリカの闇を暴く実話「モーリタニアン 黒塗りの記録」10月29日公開
2021年8月6日 16:00

ジョディ・フォスター、ベネディクト・カンバーバッチが共演する「THE MAURITANIAN(原題)」が「モーリタニアン 黒塗りの記録」の邦題で10月29日から公開されることが決定した。悪名高きグアンタナモ収容所に収監されたモーリタニア出身の青年と、彼を救うべく奔走する弁護士たちの姿を、実話を基に描く。
2015年、アメリカ政府による検閲で多くが黒く塗りつぶされた著書「グアンタナモ収容所 地獄からの手記」が出版された。筆者のモハメドゥ・ウルド・スラヒは、その時キューバのグアンタナモ米軍基地に収容されていた。異例尽くしのこの本は、またたく間にアメリカでベストセラーを記録。その後、世界20カ国で刊行され、著書に惚れ込んだカンバーバッチは「これは映画化すべきだ。誰が映画化権を持っているのか調べなきゃいけない」と映画化に向けて動き、プロデューサーにも名を連ねている。
2005年、弁護士のナンシー・ホランダーはアフリカのモーリタニア出身、モハメドゥ・スラヒの弁護を引き受ける。9.11の首謀者の1人として拘束されたが、裁判は一度も開かれていない。キューバのグアンタナモ収容所で地獄のような投獄生活を何年も送っていた。ナンシーは「不当な拘禁」だとしてアメリカ合衆国を訴える。
MOTION PICTURE ARTWORK(C) 2020 EROS INTERNATIONAL, PLC. ALL RIGHTS RESERVED.時を同じくして、テロへの“正義の鉄槌”を望む政府から米軍に、モハメドゥを死刑判決に処せとの命が下り、スチュアート中佐が起訴を担当する。真相を明らかにして闘うべく、両サイドから綿密な調査が始まる。
フォスターが敏腕弁護士ナンシーを演じ、第78回ゴールデングローブ賞で助演女優賞を受賞。軍の弁護士スチュアート中佐をカンバーバッチ、モハメドゥを「預言者」のタハール・ラヒムが演じ、「ラストキング・オブ・スコットランド」のケビン・マクドナルド監督がメガホンをとった。
フォスターは、オファーを受ける以前から著書やモハメドゥのことを知っており、「私が生きている時代のことなのに、なぜかそうした疑問に対する答えを私は一切知らなかった。まったく何も知らないということに我ながら驚いた。私たちの誰もが9.11の出来事にものすごい衝撃を受けたために、アメリカ中に恐怖心があふれていた。そのせいで誰が抑留されているのかについては、ほとんど考えていなかったのだと思う」と話す。
モハメドゥを演じたラヒムは「初めて脚本を読んだときには泣いたよ。素晴らしいストーリーだった。彼はヒーローだ。一人の俳優として、そして一人の人間として、僕は、このストーリーは語られるべきだと思った」と本作の意義を語っている。
あわせてポスタービジュアルと場面写真が披露された。ポスターは主要キャストの背景に、黒く塗りつぶされた文書が確認できる、不穏な雰囲気のビジュアルになっている。
「モーリタニアン 黒塗りの記録」は、10月29日から東京・TOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国公開。
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