米インディーズ界の雄アレクサンダー・ロックウェル「スウィート・シング」10月29日公開 新作の日本劇場公開は25年ぶり
2021年8月4日 09:00

2020年の第70回ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門最優秀作品賞で、米インディーズ界の雄として知られるアレクサンダー・ロックウェル監督の新作「スウィート・シング」が10月29日から公開される。
ジム・ジャームッシュと並ぶ米インディーズ映画のアイコン、ロックウェル監督の25年ぶりの日本劇場公開作となる本作は、現代に生きる子どもたちの冒険を描く、悲しくも幸福なファンタジー。ロックウェル監督の日本での最後の劇場公開作は1995年の「フォー・ルームス」。その後もスティーブ・ブシェミ、ジェニファー・ビールス共演の「13 rooms」(2002)や、日本では配信のみの「ピート・スモールズは死んだ!」(2010)など人気作はあったものの公開されず、ロックウェル自身がニューヨーク大学で教鞭をとっているため寡作となっていた。
親に頼ることができず、自分たちで成長していかなくてはならない15歳の少女と11歳の少年の物語で、子育てができない親という現代社会の問題を描きながらも、16ミリフィルムで撮影された美しいモノクロとパートカラーの映像は詩的で美しく、「スタンド・バイ・ミー」(1986)も彷彿とさせる。実の娘、息子、妻、気のおけない俳優たちが出演、16mmフィルム撮影のモノクロ&パートカラーの映像とセンスあふれる音楽、そして映画愛にあふれるインディーズ作品だ。

主役を演じるのは、監督の実の子どもたち。姉ビリー役を娘のラナ・ロックウェル。弟ビリー役を息子のニコ・ロックウェル。実際のパートナーであるカリン・パーソンズが母親イヴを、「イン・ザ・スープ」からの盟友で、近年は「ミナリ」への出演など活躍中のウィル・パットンが父親アダムを演じる。タイトルにもなっているバン・モリソン「Sweet Thing」やビリー・ホリディ、テレンス・マリック「地獄の逃避行」(1973)のサウンドトラックの引用など、音楽にも注目だ。
マサチューセッツ州・ニューベッドフォード。普段は優しいが酒のトラブルが尽きない父アダムと暮らす、少女ビリーと弟ニコ。ある日、父アダムが入院措置となり、ビリーとニコは、家を出た母親イヴのもとへ行くことになる。10月29日からヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開。
関連ニュース





【第82回ベネチア国際映画祭】オリゾンティ部門藤元明緒監督「LOST LAND」に審査員特別賞 コンペティション部門金獅子賞はジム・ジャームッシュ監督
2025年9月7日 09:22

スパイク・リー監督、黒澤明作品との出合い&デンゼル・ワシントンとの信頼関係を明かす【「天国と地獄 Highest 2 Lowest」インタビュー】
2025年9月5日 09:00
映画.com注目特集をチェック

Dear Stranger ディア・ストレンジャー
【4歳の息子が誘拐された。しかし誘拐犯が死体で見つかった】衝撃の極限ヒューマンサスペンス
提供:東映

ジュラシック・ワールド 復活の大地
【観てない人マジもったいない!!】まだ間に合う!この連休に映画館へ【知れば絶対に観たくなる7の事実】
提供:東宝東和

ワン・バトル・アフター・アナザー
【個人的・下半期で観たい映画No.1】なにこれ!!? 全員主役級キャストがクセ“マシマシ”異常者に
提供:ワーナー・ブラザース映画

宝島
【超異例の「宝島」現象】こんなにも早く、心の底から“観てほしい”と感じた映画は初めてかもしれない。
提供:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント