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池松壮亮と石井裕也監督、オール韓国ロケ作品に「今回は監督と俳優を超えた」と自負

2021年6月22日 20:33

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日本と韓国の家族がソウルで出会い、新しい形の家族になるさまを描いた
日本と韓国の家族がソウルで出会い、新しい形の家族になるさまを描いた

池松壮亮石井裕也監督が、韓国のキャスト、スタッフとともにオール韓国ロケを敢行した映画「アジアの天使」のプレミアイベントが6月22日にテアトル新宿で行われた。この日は池松、石井監督のほかに、オダギリジョー、子役の佐藤凌、そして韓国人キャストのチェ・ヒソキム・ミンジェもリモートで参加した。

これまで「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」など数々の作品でタッグを組んできた石井監督と池松が、韓国映画のスタッフ・キャストと共に作りあげた本作は、日本と韓国の家族がソウルで出会い、新しい形の家族になるさまを描いたロードムービー。95%以上のスタッフ・キャストが韓国チーム、オール韓国ロケとなり、二人にとっては本作が韓国初進出作となる。

本作を手がけた理由について「本来、人生とか映画は途方もなく自由なはずなのに、なぜか制限をかけてしまって、息苦しくなってしまうと感じていた。でもそれを取っ払って、本当に自由な気持ちで映画を作ってみたい。そのためには海外で映画を撮るのがいいんじゃないかと思った」と明かした石井監督。これまで数々の作品でタッグを組んできた池松についても「池松くんとは、これまでいろんな関係を築いてきましたけど、今回は監督と俳優を超えたというか。共同制作者という形で組めた初めての映画かもしれない」と誇らしげに語った。一方の池松も、本作の脚本を読んで「非常に感動させられました。僕が台本を受け取ったのはコロナ以前でしたが、当時は国と国との関係もあまり良くなくて。とにかくすぐにでも、どんなオファーが来ても、これを何とか成立させないといけないと思いました」と感じたという。

今回、兄弟役で共演することになった池松について「一緒の作品に出ていたことはありましたが、ちゃんと芝居を交わすのは今回が初めてだったかもしれないですね」と切り出したオダギリは、「それはもうすてきでした。作品に対する誠意が感じられる役者って少ないんですよ。でもそれを現場の池松くんから感じることができましたし、それはとてもまれというか、貴重な俳優。日本映画を引っ張っていく逸材だと思いますね」と称賛。

対する池松も「もちろん現場では数えきれないほど助けてもらいましたし、役柄も相まって、笑わせてもらいました」と振り返ると、「そもそもこの映画自体がたくさんのピンチを乗り越えてきたんですが、何個目かのピンチの時にオダギリさんがこの映画に入ってきてくださって。現場でもたくさんのピンチを迎えたけど、そのたびにオダギリさんが助けてくれて。本当に天使ですね」と笑顔を見せる。

そしてこの日は韓国人キャストのチェ・ヒソキム・ミンジェもリモートで参加。チェが「池松さんは目力がすごく強いので、目を見つめるだけでいろんな感情が沸いてきて。素晴らしい経験をしました。ぜひまた次も一緒に共演したいです」と語ると、キムも「最初はなかなか慣れなくてぎこちないところもありましたが、撮影を通じて本当の家族になった気がします。だから皆さんとの別れの時は泣いてしまいましたが、本当の家族ではないのに、家族として気持ちを分かち合えたのはしあわせでした」としみじみ続けた。

そんな本作について石井監督は「本当にスタッフもキャストもいろんな大変さを抱えて映画が完成しましたが、完成した映画からは、そういう大変さが一切映っていなかった。ビックリするほどの優しさと愛情がたくさん入っていたのがものすごく驚きで。僕らの知らないうちに、真摯(しんし)な気持ちが結実していたんだなと思いました」と誇らしげに語った。

アジアの天使」は、7月2日から東京・テアトル新宿ほか全国公開。

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