「るろうに剣心」プロデューサーが明かすキャスティング裏話 重視したのは「既視感がないこと」
2021年5月22日 12:00
(C)和月伸宏/集英社 (C)2020 映画「るろうに剣心 最終章 The Final」製作委員「るろうに剣心 最終章 The Final」(公開中)、そして「るろうに剣心 最終章 The Beginning」(6月4日公開)で、10年の壮大な歴史に幕を閉じる「るろうに剣心」シリーズ。実写化不可能といわれた本作がヒットしたのは、原作ファンたちに受け入れられたキャスティングも大きな要因といえる。第一作から最終章に至るまで、エグゼクティブプロデューサーとして携わり続けているワーナー・ブラザース映画の小岩井宏悦氏が、剣心役で主演を務める佐藤健をはじめ、人気キャラクターたちのキャスティングについて語った。

小岩井プロデューサーは「とにかく最も重要だったのは、誰が緋村剣心を演じるかということでした。剣心の持つイメージ、痩身で身体能力が圧倒的に高いということは大前提な上でイメージが固定していないフレッシュな人が必要でした。その点、健くんはビジュアルは剣心そのもので、しかもブレイクダンスが得意で体も動く。健くんに決めてからは、そのバランスで健くん以上にフレッシュな武井咲さんを決め、その後に一人一人を健くんとのバランスで決めていきました」と振り返る。
剣心に抜擢された当時の佐藤といえば、本作のメガホンをとった大友啓史監督が、NHK史上最年少でチーフ演出を務めた大河ドラマ「龍馬伝」の“人斬り以蔵”で注目を集め始めたばかりの若手俳優だった。小岩井プロデューサーは「緋村剣心と言うのは、みんなの中に独自のイメージを持つ完全無欠のキャラクターです。その役者が持つ色に合わせるのではなく、とにかく剣心の色に染まってもらうことが大事でした。欲しかったのは、剣心というキャラクターを描く白地のキャンバスです」と佐藤の抜擢について明かす。

「でも、蓋を開けてみれば健くんが原作の大ファンだった上に、原作者の和月伸宏先生からも健くんの名前が出て来て、実は、そこには運命的な出会いもあったんです」と付け足す。
剣心の色を見事に表現した佐藤は、「るろうに剣心」公開後に多くの大作に出演し、昨今ではドラマ「義母と娘のブルース」「恋はつづくよどこまでも」をヒットに導くなど、人気実力派俳優へと成長。同じく武井も第一作目出演を皮切りに数々の大作に出演し、実力派女優としての活躍している。
また、本作においては主要キャラクターだけではなく、各作品、敵として登場するキャラクターのキャスティングにもこだわりがちりばめられている。


小岩井プロデューサーは「とにかくそのキャラクターを誰がやったら一番面白くなるか、ということから始まり、そのためには既視感がないことを重視しました。観柳を演じた香川照之さんは、あのポジションでは中々出てもらえない方ですが大友監督の『龍馬伝』からのつながりでお願いできました。刃衛はラスボスなので体が大きくて動ける人にと思っていて、吉川晃司さんの『パンドーラ』と言う楽曲のPVでやっていた殺陣が素晴らしく、何より吉川さんが殺陣と言うのが意外で。志々雄を演じた藤原竜也くんは、あの舞台俳優らしい芝居が志々雄にピッタリだし、何よりあんな二枚目の顔を見せないのは面白いなあ」と、役に役者が合うことを基準に選んだことに加え「原作が強いし、ファンの思い入れも強いのでキャラクターに合うことは大前提ですが、実写映画としてはそれ以上の付加価値が必要です。それがキャスティングの新鮮さだと思っています。その役者さんが、これまでこういう役はやってないよね、あの役をこんな人がやるんだ、と言う驚きが生み出せればベストです」と、ポイントを語る。

(C)和月伸宏/集英社 (C)2012「るろうに剣心」製作委員会完結を迎える最終章の2作でも有村架純、新田真剣佑といった新たなキャストを迎えており、2人においても本作で見せる新たな一面に、鑑賞した観客から絶賛の声が上がっている。
(C)和月伸宏/ 集英社 (C)2020 映画「るろうに剣心 最終章 The Final」製作委員会
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