ふたりの戦友であり、アベンジャーズを率いてきたキャプテン・アメリカが去った世界で、彼の象徴ともいえる盾(シールド)を託されたファルコン。キャプテン・アメリカが担ってきたリーダーシップや、平和を守る責務を背負い切れないと悩みはじめるが、やがてウィンター・ソルジャーと共に世界を揺るがす壮大な戦いに巻き込まれていく――。
映画.comでは、「三度の飯よりマーベルが好き」な編集部員のクチナシ、広告担当の蛯谷朋実と、「詳しくはないけれどアベンジャーズは見てます」という沼落ち予備軍編集部員の岡田寛司が、毎週「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」を配信開始と同時に鑑賞&オンライン座談会を実施。リアタイするガチ勢の皆さまはもちろん、ちょっと興味あるな……という皆さまも、ぜひお立ち寄りください。
前回までのレビューはこちらから。
今回は、4月9日午後4時に配信された、第4話「世界注視の中で」について語っています。
<第4話あらすじ>
サムとバッキーはカーリ・モーゲン
ソウの戦う理由を知るが、
ジョン・ウォーカーはふたりに対して苛立ちを募らせる。
クチナシ いや……今回ダーク……! いま見終わったばかりですがラストが衝撃的過ぎて……。MCU史上最大級にダークな展開ですね……。
岡田 アクション面はちょっと乏しかったイメージですけど、個人的には神回でした。凄かったです。それぞれが発したセリフも、行動(=結論)に紐づいてくるし。脚本が秀逸! 前回のラストから「感動的なワカンダの光景(6年前)」→「現在に戻って対立の様相を呈する」という構成も◎。
クチナシ うんうん、丁寧に映画版MCUに繋げてくれるの嬉しい! ラスト2話を残して折り返しというか、終盤に向かって物語展開が加速しましたね!
岡田 “終わりの始まり”という感じですね。
蛯谷 いろいろなことが動き出すフックだらけでしたね。とりあえずバッキーの過去が少し見えて、ワカンダの兵士ドーラとの強い絆を感じました。
クチナシ そうなんですよ! バッキーのワカンダでの過去、ホワイトウルフ!! バッキーが「
ブラックパンサー」のラストでワカンダの子どもたちから、「
アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」ではティ・チャラこと
ブラックパンサーからも呼ばれていた名前ですね。原作コミックでは、ホワイトウルフはティ・チャカの養子となった孤児で、ティ・チャラと兄弟のように育ったという設定のヒーローです。「ブラックパンサー2」に繋がるのかな……! 一旦落ち着いて最初から順を追っていきましょう(無理)。
蛯谷 ホワイトウルフって聞いて、そうじゃん!って思いました。彼はウィンター・ソルジャーからホワイトウルフに生まれ変わったはずなのに、なんでこの作品タイトルは「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」になってるんだろう。
クチナシ ホワイトウルフはあくまでもワカンダでの称号(?)という位置付けなんでしょうかね?
蛯谷 んー……。何かあるんじゃないかとすぐ疑ってしまう(笑)。
クチナシ 次回ホワイトウルフ呼びの真意も分かるかも……! 楽しみでしかない。
(C)2021 MARVEL蛯谷 第3話でもそうでしたが、ジモの超人血清についての考察は鋭いものがありますよね。常に超人血清は人を狂わせてきて、もはやキャプテン・アメリカの再来はありえない。
クチナシ そうなんですよ。ジモ、存在が不気味で不穏なのにまともかよ、って。
岡田 割と正論言いまくってますよね(笑)。
蛯谷 ジモが、「(超人血清で狂ったのは)ナチスもウルトロンもアベンジャーズもだ」って言ったときに、バッキーが「ナチスは違う」って言ったのはそこか!ってなりましたけど。
クチナシ 超人血清でいえば、カーリの血清の隠し場所がトレジャーハント過ぎて。すごい繊細そうな薬品なのにあんな感じで常温保存OKっていう扱い易さ。その感じいいよって(笑)。
蛯谷 確かに血清の隠し場所、夢あった! あの扉開けてみたい! 超人的な血清だから、きっと外気の変化にも強いんですよ(笑)。
クチナシ そういうなんか全部わけわからんくらい強いのがMCU感(笑)。
岡田 ドーラがバッキーに提示した、「ジモ引き渡しまでの猶予は8時間」という縛りも、タイムリミットサスペンス的に良い縛りになっていた気がしました。ジモ、優雅に風呂入ってましたけど……。でも、それも後半に効いてくるのが目から鱗。
蛯谷 ね! そこに繋がるんか!と。
クチナシ 本当に脚本が秀逸ですよね。これは最終話まで配信されたらスーパー長尺映画としてイッキ見したい……! そして今回も
ジョン・ウォーカー迷言でました。「2度と出し抜くな」。いや、“新キャプテン・アメリカ”なら出し抜かれんなよ。今回も超絶イケてないぜ。相棒のレマーがちょっとまともで救われました。
(C)2021 MARVEL岡田 彼については「短気は損気」という言葉が真っ先に浮かびました(笑)。
クチナシ やることなすこと全部裏目に出てるし、それで本人ストレス受けちゃってるし、ひとり悪循環。
蛯谷 彼はトラウマがありそうですよね。なにか過去の戦争体験で気になることがありそうな発言もしていましたし。
クチナシ つらい経験をしてきたんでしょう……。がしかし、いかんもんはいかん。
岡田 ちょっとだけ同情の余地がある感じなんですよね。彼って、MCUの歴史をたどっていけば、あくまで「普通の人」ですから。重圧半端ないと思う。
蛯谷 なぜ彼が“新キャプテン・アメリカ”になることを受け入れたのかという経緯などは、まだ語られてないですもんね。
クチナシ そもそも“新キャプテン・アメリカ”っていう概念が間違ってるんだよおおおおお!でした。そういう意味ではウォーカーも政治利用された被害者とも言えますよね……。こんなこと言う日が来るとは思わなかったですが、まじでみんなジモの言葉を聞け。
蛯谷 今回ウォーカーはドーラとの戦いも破れて自尊心ボロボロですよね。
岡田 彼にとって「超人」以外の人は「普通の人」じゃないですか。その「普通の人」であるドーラに負けて……そりゃショックはデカいですよね。
蛯谷 「普通の人」のなかでは自分が1番強いと思ってますからね、彼は。
クチナシ ワカンダの兵士を「普通の人」にカウントしちゃあかん。ウォーカー、自己肯定感を高めるためにもハードル下げよう。
蛯谷 確かに(笑)。奴らと比べると自分がつらいぞ!
クチナシ 今回も“新キャプテン・アメリカ”として英雄になりたいエゴが大きすぎて、せっかくのサムとカーリの対話をぶち壊してしまいましたし……。見ていてもう、「ひー……(硬直)」でした。めちゃめちゃいらんことする……!! カーリに誤解されたし過激化させてしまった。
岡田 今回の大枠は「カーリを見つけろ!」でしたよね。個人的に注目したのは、ジモがターキッシュ・デライト使って、子どもから証言を引き出そうとするシーン。あれ、マネする人出てきそう。世の中にあふれる“ターキッシュ・デライトおじさん”。
クチナシ 完全に危ない人だよ……! 絶対に子どもに近づいて欲しくない。
蛯谷 あふれるのはやばい。しかし、ジモの人の心に入り込む能力は本当に恐ろしや。ターキッシュ・デライトからのキャッシュっていうのもさすが。
クチナシ いや本当に(笑)! 最後はお菓子じゃなくてカネ掴ませるっていう。でも、結果的にジモ有言実行でしたね! 詳しくはネタバレ過ぎて言えませんが、なんなら超人血清問題については1番貢献している。
蛯谷 しかし、それきっかけでよくないことも……! “あの”瞬間に「だめ!」って声がでた。
(C)2021 MARVELクチナシ 本当に! それは越えてはならん一線……! ああ、全部言いたい。その後いろいろあってからの、バッキーの「ウォーカーは変だ」に頷き過ぎて首もげそうでした。
岡田 あのシーンは「アカン……!」と口に出してました(笑)。大義のために“何”になるのかっていうのもテーマなのかなぁ。
蛯谷 超人血清については、レマーがいいこと言っていましたね。超人血清を打ったらどうなるかという質問に、「本質が出るだけだろう」と。
クチナシ 超人血清を打ったからってヒーローになれるわけじゃないんですよね。その人にその資質がないと意味がない。2回目ですけど、レマーは本当にまともだな。ウォーカーの唯一の救いなんじゃ……。
岡田 あのシーンはとても良かったです。「本質が出るだけ」って言葉は、善と悪は紙一重ってことを示している気がしました。
クチナシ 超人血清をすごい自分のところに下ろしますけど、「お酒も一緒だよなあ……」ってめちゃくちゃ身近なこと考えてました(笑)。お酒が人をダメにするんじゃない、ダメな人が酒に暴かれるだけなんだぞ。
蛯谷 ドキッ(笑)!!!!
岡田 めっちゃわかる……!!!!
(C)2021 MARVEL蛯谷 カーリも自分では至上主義者じゃないと言っていますが、「私のことを邪魔するものは罪人」という発言は、やばい奴やないか!ってなりましたね。
クチナシ 「私のことを邪魔するものは罪人」発言かなりきてましたね。サムとの対話が邪魔されてなければ……!
蛯谷 彼女は自分でその発言のあとにハッとしてたのでまだ救えそうですよね。
岡田 今回「分断」という要素がかなり強調されていた気がしました。サムとカーリの話が途切れる場面もそうですけど……、カーリの「ひとりで来い」というちょっとしたセリフにも。世界観もそうですけど、個人間レベルでも「分断」が作用していた気がします。
クチナシ そして分断されて追い詰められたカーリがサムのお姉さんにコンタクトしてしまいましたね……。いくら必死でも家族を盾に脅すのはダメだ……。
蛯谷 今回サムがかなりカーリのやることにシンパシーを感じているのが表面的になりましたね。だからこそお姉さんを使わないでほしかった。
クチナシ 本当にそう。今回、越えてはならない一線を越えてしまう人続出でしたよね。これをどうやってあと2話で収めるんや、マーベル……!
蛯谷 みんな落ち着いて!!!!って最後の数分ずっと思ってました。悪夢過ぎた……。
岡田 “一線越えまくり”の回でしたね。タイトル「世界注視の中で」は、最初は「?」だったんですけど、見終わったら「それでしかねぇわ」でした。
蛯谷 本当に「世界注視の中で」ことが起こりましたね……。
クチナシ 最後の1分でタイトル回収してきましたね……。
(C)2021 MARVEL蛯谷 もはや、いまの世の中どこで何をしていようとも世界中から視線を感じることになりますよね。
クチナシ 文明の利器よ……! これ以上は言えないっ。とにかく早く次の金曜来いって祈ります。
蛯谷 もうどうなっちゃうんだよ来週! 何もかもめちゃくちゃだよ!
クチナシ ついにパワー・ブローカーが姿を現すのか!
岡田 パワー・ブローカーは、結局「お前は何者なんだ」という感じですよ! あと2話で回収できるんですかね……いや、それを易々としちゃうのがマーベルなんでしょうけど。
クチナシ 先週までマーベル半身浴してた岡田くんが全身浴してる気がするのは私だけ……?
蛯谷 6時間お疲れさまです!
蛯谷 ていうか、何と戦えばいいんですかね。サムとバッキーは。あと2話しかないのか。もうシーズン2とかに伸ばさないでよ! と思いつつ、シーズン2も絶対作ってよって早くも思ってる。
クチナシ サムとバッキー戦う相手多すぎ問題は確かにある。あと、そろそろちゃんと仲良くなって。ラスト2話、期待してるよマーベル!
presented byディズニープラス