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「戦場のメリークリスマス」「愛のコリーダ」デジタル修復作業前後を比較する映像公開

2021年3月26日 11:00

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最新技術の修復でくっきり鮮やかに
最新技術の修復でくっきり鮮やかに
(C)大島渚プロダクション

大島渚監督の代表作「戦場のメリークリスマス」(1983)、「愛のコリーダ」(76)をデジタル修復し、4月中旬より全国順次公開される「戦場のメリークリスマス 4K修復版」「愛のコリーダ 修復版」。最新の技術により美しくよみがえった2作品の修復作業前後を比較する映像が公開された。

映像の前半は「戦場のメリークリスマス」のデビッド・ボウイが演じるジャック・セリアズの処刑シーン。修復を施したことで立ち込める煙や、背後から歩いてくる坂本龍一が演じるヨノイ大尉の表情もはっきりと見える。さらに、「ラストエンペラー」(87)のベルナルド・ベルトルッチ監督が「映画史上最高に美しいキスシーン」と絶賛した名シーンも、まるで目の前の光景を見ているかのように一層鮮やかになっている。

既存の「戦場のメリークリスマス」2K修復済データに対し、4KDCP化に際して施されたのは、シーン毎に最適化された高品質な超解像処理。オリジナルネガよりスキャンし、フィルムのキズやゴミ、フリッカー(明滅)を取り除くことにより、鮮明な映像となった。また、Dolby Stereoで作成されていたサラウンド音声を磁気テープから再現。4Kデジタルリマスタリングにより、タテ2倍、ヨコ2倍で4倍の高解像度となり、従来よりも細かい粒子がはっきりと見え、鮮明な色彩が再現されている。

より大幅な修復作業を実施した「愛のコリーダ」(R18+)は、約2カ月間かけてカットごとに修正。HDカムSR素材をもとに、MTI Film DRSNOVA(レストア作業においてよく使用されているソフト)を用いて作品全体のフィルム傷やゴミを除去するレストア処理。DaVinci Resolve(現在の作業においてポピュラーなソフト)によって退色しているシーンのカラーコレクションを行い、当時の色を再現。特に、定が吉の上に乗り三味線を弾く官能的なシーンは、画面全体が明瞭になり、松田英子が演じる定の着物の色も鮮やかになっているのが確認できる。

なお、大島監督作品が2023年に国立機関に収蔵される予定のため、この2作も今回が最後の大規模全国公開となる。

「戦場のメリークリスマス 4K修復版」は4月16日、「愛のコリーダ 修復版」は4月30日から、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開。

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