2020年の映画年間興収1432億円、コロナ禍の影響で00年以降最低を記録
2021年1月27日 16:36
日本映画製作者連盟(映連)が1月27日、2020年の全国映画概況を発表した。
年間興収は1432億8500万円で、史上最高(2611億8000万円)を記録した前年比54.9%。2000年の興収発表以降、最低の数字となった。新型コロナウイルスの感染拡大で、4月に発令された緊急事態宣言により全国ほぼすべての映画館が約2カ月休業。再開した6月も新作の公開ができなかったこともあり、大きな打撃をこうむった形だ。
だが夏以降、「今日から俺は!!劇場版」、「コンフィデンスマンJP プリンセス編」などが大ヒットとなり、10月公開の「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が、今月24日現在で366億円突破と歴代興収記録を更新中。それらの健闘もあって、全体の減収を半分弱にとどめられたという見方もできる。島谷能成会長(東宝社長)は、「多くのお客さまの支持を得た作品にも恵まれ、コロナ禍の隘路(あいろ)にありながら、一筋の光明が見えてきた」とコメントした。
邦画は前年比183本減の506本が公開され、興収で前年比76.9%。一方の洋画は、同比78本減の511本が公開されたにもかかわらず、世界で最も感染者の多い米国、ハリウッドの大作、話題作が軒並み延期されたため、興収では同比28.6%と落ち込んだ。一方、観客動員は1億613万7000人で同比54.5%と、55年に同連盟が発表を始めて以降、最低記録となった。
また、昨年11月に岡田裕介会長(東映グループ会長)が急逝し、12月の臨時総会、理事会で島谷氏が会長に就任。「前会長の映画に懸ける熱い思いを継承し、一丸となって映画産業界のコロナ禍からの再生、そして映画文化の振興に向けて力を尽くす所存でございます」と抱負を述べた。