ベトナム戦争の地獄をリアルに描いた「ハンバーガー・ヒル」 4月16日から34年ぶりに再公開
2021年1月27日 17:00
ベトナム戦争の地獄を、迫真のリアリズムで描いた「ハンバーガー・ヒル」が、34年の時を経て、4月16日に再公開されることが決定した。
1987年に公開された同作は、日本でもヒットを記録した実録ベトナム戦争映画。69年5月10日、米軍の第101空挺師団は、南ベトナムのエイショウ・バレー、937高地で「アパッチ・スノー作戦」を開始した。しかし、戦闘開始直後から、高地に陣取る北ベトナム軍の容赦ない機銃掃射と手榴弾攻撃を受け、米兵たちは丘の急斜面で次々と被弾していく。さらに行く手を阻む絶望的な豪雨、味方戦闘ヘリからの誤射なども重なり、まさに生き地獄となった丘をめぐる攻防戦は、10日間にわたって続けられた。
20歳の頃にベトナム戦争に参加したジム・カラバトソスが、自らのすさまじい体験をもとに脚本を執筆。かつて英BBCのドキュメンタリストとしてベトナム戦争を取材していたジョン・アービン監督(「湖畔のひと月」「バッド・デイズ」)がメガホンをとった。ともにベトナム戦争の経験者であるふたりは、「自らが見た真実をありのままに再現すること」を第一に掲げた。まるで記録映像を見ているかのような臨場感で、14人の米兵たちが挑んだ熾烈な局地戦を描き出している。
公開当時、海外のメディアからは「一瞬たりとも画面から目を離すことができない」(米ワシントン・ポスト紙)、「ベトナム戦を描いた真の秀作」(ニューヨーク・タイムズ紙)と絶賛を浴びた。本作は、同じくベトナム戦争をテーマにし、同時期に公開された「プラトーン」「フルメタル・ジャケット」と肩を並べるスケールと迫真性を備え、「戦争のはらわた」に迫る戦場の悲惨さを描いている。
あわせて、丘の急斜面を強調し、生き地獄の一端が垣間見える新ポスターもお披露目。「ハンバーガー・ヒル」は、4月16日に東京・シネマート新宿ほか全国で順次公開される。