「この世界は生きづらく、あたたかい。」役所広司「すばらしき世界」新ビジュアル2点公開
2021年1月24日 13:00
名優・役所広司と、西川美和監督がタッグを組んだ「すばらしき世界」の新ビジュアル2点がお披露目された。人生の大半を刑務所で過ごし、一度社会のレールを外れた男・三上正夫(役所)の晴れやかな笑顔や、子どもたちとサッカーに興じるさまが切り取られており、“人生の再出発”を感じさせる仕上がりだ。
「ディア・ドクター」「永い言い訳」の西川監督が、直木賞作家・佐木隆三氏の小説「身分帳」を原案に作り上げた本作。実在の人物をモデルにした原作の舞台を約35年後の現代に置き換え、徹底した取材を敢行した。不寛容で生きづらい社会のなかで、懸命に人生をやり直そうとする三上を軸に、彼を追う若きテレビマンのカメラを通して、社会と人間の“今”をえぐり出す。西川監督にとって、長年の憧れの存在だったという役所をはじめ、仲野太賀、六角精児、北村有起哉、白竜、キムラ緑子、長澤まさみ、安田成美、梶芽衣子、橋爪功らが顔をそろえた。
強面の三上は、短気で頭に血がのぼりやすい性格だが、実は優しく、困っている人を放っておけない男。持ち前の人懐っこさと愛嬌で、最初は元殺人犯の三上をネタにしようと近付いたテレビディレクター・津乃田(仲野)や、スーパーの店長(六角)と、心を通わせていく。
新ビジュアルのひとつには、空を見上げて穏やかな笑みを浮かべる、三上の柔和な表情が写し出されている。もうひとつは、柔らかな夕日に包まれ、津乃田や子どもたちとともに、三上がサッカーに夢中になっているさまを切り取った。両方に「この世界は生きづらく、あたたかい。」というキャッチコピーがあしらわれている。三上が鋭い眼差しを投げかける既報のポスターとは対照的に、物語の持つあたたかさや、人と人とのつながりを象徴するビジュアルとなった。
1月21日に開催されたプレミア上映会に登壇した役所は、「この映画を見ていただくと、心のどこかでホッと晴れ晴れするような気持ちになるはず。気に入っていただけたら色々な方々に勧めてほしい」と思いを明かした。仲野は「人間にはまだまだ善意はあるし、手を差し伸べることができる。今は不寛容な社会になってしまっていますが、自分たちの出来る限りの善意を感じてもらいたい」、長澤は「この映画は見た人みんなに寄り添うあたたかさがあります」と語った。
「すばらしき世界」は、2月11日に全国公開。
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