役所広司、初タッグの西川美和監督に感謝の意 トロフィー手に「すべて監督のおかげです」
2021年1月21日 19:00

直木賞作家・佐木隆三氏の小説「身分帳」を原案にした西川美和監督作「すばらしき世界」のプレミア上映会が1月21日、都内で行われ、脚本も手がけた西川監督をはじめ、主演の役所広司、共演する仲野太賀と長澤まさみが出席した。
人生の大半を裏社会と刑務所で過ごした元殺人犯・三上(役所)の再出発を描く人間ドラマ。テレビディレクターの男(仲野)とプロデューサーの女(長澤)が、社会復帰を目指す三上を面白おかしく紹介しようと近づくが、三上の無垢な心は次第に周囲の人々を感化していく。

第56回シカゴ国際映画祭にて作品が観客賞を、役所が最優秀演技賞を受賞。この日は現地から到着したトロフィーがお披露目され、役所は「うれしいですね。受賞できたのは、作品の力あってこそ。すべて監督のおかげです」と感謝の意を示した。コロナ禍で現地入りが実現しなかった西川監督は「映画を撮り始めて、海外(の映画祭)に行けなかった」と悔しそうな表情。一方で「各国の映画祭がオンライン開催になり、世界中の観客があらゆる新作を見る機会を発見したので、今後、映画祭の可能性が広がっていけば」と期待を寄せていた。

「ゆれる」「永い言い訳」など、これまですべてオリジナル脚本の映画を手がけてきた西川監督にとって、小説原案の作品は初めて。「地味な日常を淡々と描いた小説ですが、非常に面白くて。基本的に“やり直す”お話が好きですし、大きな目標や敵ではなく、仕事を得ること、波風立てず人間関係を築くといった、すべての人に共通するテーマが描かれている」と原作の魅力を語り、役所との初タッグについては「10代の頃からのあこがれ。ご一緒できて幸せです」と感無量の面持ちだった。

当の役所は「実際にお会いした西川監督は、写真よりも美人だなと(笑)。裸になるシーンも多くて、この監督の前で身も心も裸にされるんだなと思った」と照れ笑い。「脚本を読む前からぜひ参加したいと思ったし、地味と言えば地味な企画が通るのも、西川さんの実績のたまもの」と称え、「こういう時代だからこそ、心にしみる作品」とアピールしていた。


中学時代に「ゆれる」を見て以来、西川監督のファンだったという仲野は「監督は毎回、人間の複雑さと矛盾、最終的には愛おしさを描いている。1ヵ月半の撮影は大切な時間で、ずっと役者の仕事を一生懸命に続けてきて良かったと思えるほど幸せだった」としみじみ。一方、長澤は「とても緊張しましたし、ドライで鋭い役柄に負けないようにと意識したら、余計に緊張して、あんまり記憶がない(笑)」と回想。それでも「何かモヤモヤ、晴れない気持ちを救ってくれる作品。人の温かさ、誰かに救われた温かさを感じてもらえれば」と魅力を熱弁していた。
「すばらしき世界」は2月11日に全国公開。
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