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ゴールデングローブ賞の判断に映画人から非難続出 英語が少ない「ミナリ」は作品賞対象外に

2020年12月29日 09:00

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「ミナリ」は日本では3月19日公開
「ミナリ」は日本では3月19日公開

ゴールデングローブ賞を主催するハリウッド外国人記者協会(HFPA)が12月22日(現地時間)、「ミナリ」を外国語映画に分類すると発表。ルル・ワン監督(「フェアウェル」)、フィル・ロード(「スパイダーマン スパイダーバース」)、ダニエル・デイ・キム(「LOST」)ら多くの映画人から非難の声があがっている。

ミナリ」は、米アーカンソーで生まれ育った韓国系アメリカ人のリー・アイザック・チョン監督による自伝的作品で、米西海岸からアーカンソーに引っ越した韓国系ファミリーの葛藤を描く作品。父親役を「ウォーキング・デッド」のスティーブン・ユァンが演じており、ハン・イェリユン・ヨジョンら韓国人または韓国系アメリカ人俳優が共演した。制作をA24とブラッド・ピットの製作会社プランBが担当している。

同作は、1月末に開催されたインディペンデント映画の祭典として知られるサンダンス映画祭では、グランプリと観客賞をダブル受賞。その後もアカデミー賞の前哨戦といわれるボストン映画批評家協会賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞でユンが助演女優賞を獲得するなど、評論家からの支持と注目を集めている。

ゴールデングローブ賞の作品賞(ドラマ部門、コメディ/ミュージカル部門)候補作品基準は米アカデミー賞とは異なり、少なくとも50%は英語のセリフが含まれていなければならないと規定されている。このルールにより、第77回ゴールデングローブ賞では、複数の部門でノミネートされていた「フェアウェル」や「ペイン・アンド・グローリー」(ペドロ・アルモドバル監督)、第92回アカデミー賞でアジア映画として史上初となる作品賞に輝き、4部門での受賞を果たした「パラサイト 半地下の家族」(ポン・ジュノ監督)も、作品賞候補から除外されている。

この長年にわたるHFPAの方針に、映画人たちが自身のTwitterで非難する姿勢を示した。ワン監督は「今年、『ミナリ』以上にアメリカ映画である作品はありませんでした。これはアメリカンドリームを求めてアメリカにやってきた移民家族の話です。英語を話すことだけを、アメリカ人であることの根拠にする時代遅れのルールは、変えなければいけません」と訴える。キムは、いかにこのガイドラインがアジア系アメリカ人の物語を排除しているかに言及し、「自国としてのアメリカを描いた映画なのに、自分の国に帰れと言われているようなものだ」と述べる。

ロードは、「HFPAは『ミナリ』への対応を変えるほかない、さもなければ映画製作者は(ゴールデングローブ賞を)ボイコットするだろう」とコメントを寄せた。また、「glee グリー」シリーズで知られるハリー・シャム・Jr.や、「ブラックリスト」(製作前の優秀脚本リスト)の創設者フランクリン・レナードは、第67回の同賞で作品賞(ドラマ)にノミネートされた「イングロリアス・バスターズ」(クエンティン・タランティーノ監督)に触れている。レナードは「ほとんどのセリフが英語ではないにも関わらず、(『ミナリ』と)同じように(外国語映画として)分類されなかった『イングロリアス・バスターズ』のことを忘れないようにしよう」と呼びかけている。

ミナリ」は、21年3月19日から東京・TOHOシネマズ シャンテほか全国公開。

▽ph
Photo by Melissa Lukenbaugh, Courtesy of A24

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