豊川悦司を「ミッドウェイ」に出演させた監督の“熱意” 手紙を受け取り「光栄」
2020年9月10日 13:00

「インデペンデンス・デイ」シリーズなどで知られるローランド・エメリッヒ監督の最新作「ミッドウェイ」が、9月11日に公開を迎える。第2次世界大戦のターニングポイントとなったミッドウェイ海戦を描く戦争ドラマ。日米の実力派俳優が結集した本作で、日本の連合艦隊司令長官・山本五十六を演じた豊川悦司に話を聞いた。

真珠湾攻撃からミッドウェイ海戦に至るまでの日米の戦いを、両国に敬意を捧げて忠実に再現した本作。ウッディ・ハレルソン、パトリック・ウィルソン、デニス・クエイド、アーロン・エッカート、浅野忠信、國村隼らが出演している。
「最初はどうしようかと思いました」。オファーを受けた心境をそう明かした豊川だが、エメリッヒ監督の“熱意”を受け取り、出演を決意した。
「オファーをいただいたとき、演じるのが日本の歴史上でもとても有名な山本五十六だったので、自分とは距離のあるキャラクターだなという気がしていました。その後、エメリッヒ監督からお手紙をいただいて、揺れ動きました。なぜ監督がこの企画をやりたいのか、実現するまでの経緯や、自分が求めている山本五十六のキャラクターはこうで、きみがふさわしいと思うということが書いてありました。ラブレターじゃないけれど、そういう熱意が込められたお手紙をいただけてすごく光栄でした。そのとき僕は台湾で撮影をしていたのですが、ホテルで自撮りをして監督にメッセージを送ったらお返事が届きました。そうして監督とやり取りをしているうちに、ぜひお願いしますということになりました」

現場でのエメリッヒ監督の印象は「子どもみたいな人」だそうで、笑みを見せながら楽しそうに話す姿から、充実していた様子が伝わってくる。
「自分が作った画を見てはしゃいでいて、周りが疲れ果ててそれにつきあっているという、天才肌の監督にはありがちな構図でした。本当に映画作りを楽しんでいて、現場にモニターをたくさん持ち込んで、その場で背景を合成したり、戦闘シーンを作ったりしていました。俳優のアイデアも聞いてくれるし、トラブルで撮影がストップしたときには、空気をやわらかくしようとユーモアのある言葉をかけてくれました」

撮影前には「本をたくさん読んで、俳優の大先輩たちが山本五十六を演じられた映画を片っ端から観ていきました」と準備を重ねた。しかし、実際に演じるとなると“偉人”としてのよく知られた姿ではなく、一人の人間らしさを大切にした。
「実在した方を演じるときは、どこかに再現をしようという気が起きてしまいますが、そうではなくて、“振り”にならないことがとても大事になると思っています。どんな偉人だって一人の人間で、ご飯を食べれば眠りもする。好きな人がいれば嫌いな人もいたと思うので、そういうところを感じられるキャラクター作りをするようにしました。山本五十六は、時代に翻弄された人だったのかなと思います。偉い立場にいるから、自分の悩みを打ち明けられない、自分で抱えていた人。そういう人が一人のときはどんな顔をするのか考えながら演じていました」

豊川が意識した山本五十六の人間らしい面も含め、祖国のために命をかける両軍のドラマも胸を熱くさせる。その一方で、“ハリウッドの破壊王”として知られるエメリッヒ監督ならではの映像もさすがの迫力だ。今の時代に戦争を扱う大作が公開されることについて、豊川自身その意義を大きく感じ、最後に以下のように語ってくれた。
「戦争がどんどん遠い過去に追いやられていくのは仕方のないことですが、まだ風化させるには早いことです。同じことが起こらないためにも、戦争を語れるチャンスがあれば語って聞かせた方がいいと思うので、『ミッドウェイ』もその1つのツールになればと思います。今みたいなタイミングだからこそ、社会科の授業で学生が観て語り合ってもらうのもいいですね」
「ミッドウェイ」は9月11日から全国公開。
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