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草野なつか監督「王国(あるいはその家について)」9月11日に24時間限定の“上映同時間”配信を実施

2020年9月5日 05:00

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東京・新文芸坐でのレイトショー上映開始と同時刻にオンライン配信!
東京・新文芸坐でのレイトショー上映開始と同時刻にオンライン配信!

[映画.com ニュース] 草野なつか監督の実験的意欲作「王国(あるいはその家について)」が、9月11日の東京・新文芸坐でのレイトショー上映開始と同時刻(午後7時~)から、24時間限定のオンライン配信を行うことがわかった。

東海大学文学部文芸創作学科卒業後、映画美学校12期フィクションコースに入学した草野監督。2014年のCO2助成作品「螺旋銀河」で長編映画監督デビューを果たし、同作で第11回SKIPシティ国際Dシネマ映画祭のSKIPシティ・アワードと監督賞を獲得している。「王国(あるいはその家について)」は、16年度愛知芸術文化センター・愛知県美術館オリジナル映像作品として製作され、17年に64分版を発表。第11回恵比寿映像祭において150分の再編集版のワールドプレミアを行い、その後三鷹SCOOL、新文芸坐で上映。英国映画協会(BFI)がリスト化した「1925~2019年、それぞれの年の優れた日本映画」では、19年の1本として選出されている。

フィクションの物語と、何度も繰り返される本読みやリハーサル――本作がとらえるのは“役者たちの変化の過程”だ。出演は、草野監督とは「螺旋銀河」でもタッグを組み、「いたくても いたくても」(堀江貴大監督)、「蝶の眠り」(チョン・ジェウン監督)にも出演した澁谷麻美(竹本亜希役)、「ミスターホーム」(総監督:池田千尋)に主演した笠島智(垣内野土香役)、「息を殺して」(五十嵐耕平監督)の足立智充(垣内直人役)、「ポップ・ロック・ビルディング」(かげやましゅう監督)に企画・出演した龍健太(取調官役)。脚本は「最後の命」(松本准平監督)、「ハッピーアワー」(濱口竜介監督)の高橋知由が担当している。

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オンライン配信のチケットは、9月11日の正午まで、Peatixのイベントサイト(https://domains-okoku20200911.peatix.com/)で発売。価格は1000円となっており、レイトショー上映開始直前に、視聴リンク(vimeo)とパスワードが送られてくる。視聴可能時間は、9月11日の午後7時から9月12日の午後7時までとなっている。

イベントサイトには、今回の取り組みに関する思いが、以下のようにつづられている。

「本作品は映画館で観ていただくことをベストの環境と考えつつも、このコロナ禍以降、個々人の考え方や行動様式が今まで以上に異なり始めているという事実もあります。今回の『上映同時間』配信は、そんな中での新しい上映方法を模索する、実験のような試みだと捉えていただければ幸いです。また、この試みをご快諾いただいたばかりでなく宣伝協力もしてくださっている上映館の池袋・新文芸坐さんには感謝しかありません。まだまだ不安で映画館に足を運べない方や外出が難しい方(もちろん遠方にお住まいの方も)、劇場で同時刻に観ている他の『観客たち』を想像しながら本作を楽しんでいただければと思います」


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あらすじ:出版社の仕事を休職中の亜希は、1時間半の距離にある実家へ数日間帰省をすることにした。それは、小学校から大学までを一緒に過ごしてきた幼なじみの野土香の新居へ行くためでもあった。野土香は大学の先輩だった直人と結婚をして子どもを出産、実家近くに建てた新居に住んでいる。その家は温度と湿度が心地よく適正に保たれていて、透明の膜が張られているようだった。「まるで世間から隔離されているようだ」と亜希は思う。最初は人見知りをしていた野土香の娘・穂乃香は、亜希が遊びの相手をしているうちに彼女に懐いた。一方、野土香からはとても疲れているような印象を受けた。数日後、亜希は東京の自宅にいた。彼女は机に座り手紙を書いている。夢中でぺンを走らせ、やがて書き終えると声に出して読み始める。「あの台風の日、あの子を川に落としたのは私です」。そして今、亜希は警察の取調べ室にいる。野土香との関係や彼女への執着、直人への憎悪について、他人事のように亜希は話し始めた。

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