ノーラン監督「TENET テネット」が海賊版の標的に 段階的リリースのリスクとは
2020年8月19日 11:00
[映画.com ニュース] 全世界待望のクリストファー・ノーラン監督最新作「TENET テネット」が、海賊版の標的になるリスクが高いと、米バラエティが報じている。
米ワーナー・ブラザースは、数回にわたる公開延期を経て、8月26日から世界中で段階的に封切ると発表。8月26日にヨーロッパの数カ国で封切られ、9月3日にアメリカの一部の都市、9月4日には中国で公開されるが、アメリカの主要市場であるニューヨークやロサンゼルス、サンフランシスコなどでは映画館の営業再開の見通しが立っていない。
ハリウッドでは、海賊版対策の意味でも超大作を世界同時で公開するのが慣例となっている。しかしワーナー・ブラザースは、2021年に公開を延期するよりも、営業を再開した映画館に注目作「TENET テネット」を提供することで映画産業再生の手助けをする道を選んだ。
だが、それによって海賊版の標的となるリスクが高まっていることは間違いなさそうだ。匿名を条件に取材に応じた海賊版対策のベテランは、「ある意味、『TENET テネット』ほど格好のターゲットはありません」「いまは作品そのものと、映画体験に期待が高まっています。おまけに公開館数が限られていて、段階的にしか公開が行われませんから」とコメントしている。
もし、インターネット上で「TENET テネット」が話題になれば、上映されていない地域の映画ファンのなかには、海賊版でも「TENET テネット」を見たいと思う人がでてくる。また、近所の映画館で上映していても、自主隔離を続けてきた観客のなかには劇場での鑑賞に抵抗がある人もいるかもしれない。
ワーナー・ブラザースは現在、各国の興行側に海賊版対策の手順を指示しているという。暗視カメラによる館内監視や荷物のチェックなどの対策が考えられるが、盗撮を完全に防ぐのは不可能という見方もある。違法動画がアップロードされた場合は、監視・削除するサービスに頼ることになりそうだ。
「TENET テネット」は、9月18日に日本公開される。
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