豊原功補&小泉今日子、裏方として全力サポート! 村上虹郎は“専用ドライバー状態”だった小泉に感謝
2020年7月30日 14:00

[映画.com ニュース] 豊原功補、小泉今日子、外山文治監督らが立ち上げた映画制作会社「新世界合同会社」の初プロデュース作品「ソワレ」の完成報告会が7月29日、東京・テアトル新宿で行われた。ダブル主演の村上虹郎と芋生悠をはじめ、メガホンをとった外山監督、プロデューサーを務めた豊原が登壇した。
役者を目指して上京したものの結果が出ず、オレオレ詐欺に加担して食いぶちを稼ぐ岩松翔太(村上)はある夏の日、故郷・和歌山の海辺にある高齢者施設で演劇を教えることになり、そこで働く山下タカラ(芋生)と出会う。数日後、翔太は刑務所帰りの父親から激しい暴行を受けるタカラを目撃。咄嗟に止めに入るが、翔太をかばおうとしたタカラの手は、気付くと血に染まっていた――。やがて、ふたりの“かけおち”とも呼べる、先の見えない逃避行が始まった。

外山監督の短編「此の岸のこと」に感銘を受けたという豊原は、外山監督から「手伝ってほしい」と声をかけられたことが、「新世界合同会社」設立のきっかけだったと明かす。「どうせやるなら本腰を入れて、適当にやっていると思われたくなかったので、会社を作って乗りこもうと思った」と、本作にかける強い思いをのぞかせる。
その言葉通り、撮影現場には豊原&小泉がプロデューサーとして駆けつけ、俳優やスタッフのために尽力していたという。村上は早朝撮影の際に「朝、ホテルの玄関に行くと、小泉さんが車をつけて、助手席をあけて『おはようございます!』って専用ドライバー状態で待っていてくださいました(笑)」と驚きのエピソードを告白。「予算が潤沢と言える作品ではないので、我々も働かないと(笑)」と照れくさそうに語る豊原に、芋生は「大先輩で、“天下の”と言ってもいいおふたりが、汗水たらして動いてくださって、私たちがのびのびとやれる環境を作ってくださいました。寝る時間もなかったと思うんですけど、それでも生き生きとされていて、それが活力になりました」と感謝を伝えた。

傷付きながらも寄り添う男女を演じた村上&芋生。村上は、「作ろうとしても作りこめず、理解しようとしても肩透かしを食らう感じで、悩みに悩んで現場に行くしかなかったし、行かないとわからなかった」と役づくりを振り返る。「今だからこそ見てほしい映画になっています」と訴える芋生は、タイトルの「ソワレ」が「夜明け前」という意味を持つことに触れ、「真っ暗な同じ景色ばかり続いて、この夜は終わらないんじゃないかと思うことがあるけど、これを見たら『朝を迎えてやるぞ!』と思える、そんな作品になっていて、少しの希望を持ち帰っていただくことができると思います」と締めくくった。
「ソワレ」は、8月28日から全国公開。
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