コロナ後は時代物の映画が増える? エミリオ・エステベス監督が予想
2020年7月16日 12:00

[映画.com ニュース] 公共図書館を舞台にした「パブリック 図書館の奇跡」が、7月17日から公開される。「ブレックファスト・クラブ」などで知られ、本作で製作・監督・脚本・主演を務めたエミリオ・エステベスが、本作に込めたメッセージや、さらにコロナ禍で憂う映画業界の未来について語った。
製作のきっかけは、2007年にソルトレイクシティー公共図書館の元副理事チップ・ウォードがロサンゼルス・タイムズに寄せたエッセイだった。図書館がホームレスのシェルターとなっている現状や、彼らの多くは精神疾患を抱えていることが掲載され、それを読んだエステベスは「映画になると感じたというよりも、図書館で何かできるのではないかと感じ、映画のリサーチのためにロサンゼルスにあるダウンタウンの公共図書館で、静かにそこで起きることを観察していたんだ」と振り返る。
「だいぶ足を運んだ時に、常連のホームレスが自分に対して『いつもいるな』と信頼し始めてくれて。どうやって自分が路上生活者になったということから話をしてくれたりするようになった。オープンな人もいれば、声をあげられたりして、怖くなってしまったこともあったんだけどね。そうやっていろいろな人の話を聞いて、この作品を作っていったんだ。彼らとの会話や図書館で過ごした時間は、得難い価値があったと思う」。
また、現在も新型コロナウイルスの感染拡大が広がっていることについて「これからの配給は、ストリーミングが増えるかもしれないと心配している。『飛べないアヒル』のリブートをバンクーバーで撮影していたけど、コロナ禍で中座している状態で、いつ再開するのかまだ目処がたっていない」と明かし、「本当にどうなるかという感じだよ。ただ、『ヤングガン』のリブートも参加が決まって、良かったなと思っているのは、現代物を作るとコロナのことに触れざるを得なくなるけれど、時代物だったらコロナなんかない世界でストーリーが展開する。もしかしたら、時代物が増えるかもなぁ……」と予想する。
最後に、日本の観客へ向けて「私たちは社会的に弱い立場にいる人だったり、ホームレスだったり、肌の色が違う方だったり、声なきものに対して、こういうストーリーがあるんじゃないかと勝手に思い込んでしまうんだ。でも、それは間違っていることが多いので、その人のストーリーを勝手につくらないでほしい」と、本作に込めた思いを伝え、「それと、スマホとかパソコンを持っている人は、公共図書館が必要不可欠な機関ということを改めて感じてほしい。理由はこの映画の中でいっぱい描いているから、伝わるといいなと思っている」とメッセージを送った。
「パブリック 図書館の奇跡」は7月17日から公開。
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