志田未来と花江夏樹が「泣きたい私は猫をかぶる」で追求した“気持ちをそのまま”表現する芝居
2020年6月27日 11:00

[映画.com ニュース] 6月18日からNetflixで独占配信中の長編アニメ映画「泣きたい私は猫をかぶる」は、「ペンギン・ハイウェイ」のスタジオコロリドによる青春ファンタジー。「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」の岡田麿里が脚本を手がけ、数々の名作を手がけてきた佐藤順一が、長編アニメ映画初監督となる柴山智隆と共同で監督を務めた。
思春期の多感な思いをしなやかに描く本作で、女優の志田未来は中学2年生の笹木美代(ムゲ)と猫の「太郎」の1人2役を熱演。ムゲの思いをうけとめる日之出賢人役の花江夏樹と事前に台本の読み合わせを行い、収録では普段と違った手法もとりいれられたという。志田と花江の2人に収録の舞台裏を聞いた。(取材・文/編集部)
志田:今回、本番収録の前に、花江さんと2人で台本の読み合わせを行う機会をつくっていただき、そのときに佐藤(順一)監督からいただいた言葉をもとに自宅で練習していきました(※佐藤監督は音響監督も兼任)。読み合わせのとき監督から「あまり声を頑張ってつくりすぎず、そのままでお芝居してください」と言っていただけたので、お芝居だから少しオーバーにしようとか、自分の表情が映らないからもっと声の抑揚をつけなければとかテクニカルなことはあまり考えず、ムゲの気持ちをそのまま表現できたらいいなと思いながら本番の収録に臨みました。

花江:お互いとても緊張していた気がします。はじめましての挨拶も、今思うとすごくかたかったなあと(笑)。
志田:(笑)。
花江:台本を読み進めていきながら休憩時間に少しずつお話していくなかで、だんだんと打ち解けられていったように思います。志田さんはアニメがお好きで、アニメ業界や声優という仕事をリスペクトしてくださっていることが伝わってきて、とても話しやすかったです。最初の読み合わせで志田さんのムゲちゃんのお芝居を聴いて本当に素敵だなと思っていたので、本番をむかえるのが楽しみでした。
花江:読み合わせで佐藤監督から言っていただけたことを一度家に持ち帰ることができて、気持ちと役にたいしての整理ができました。映画の場合、シリーズものとは違ってその1本だけですので、キャラクターをつくるのが大変な部分があるんです。充分な下準備がないまま、よーいドンでいちから録っていくと、最初のほうはどうしても迷いながらになってしまうこともあります。事前に読み合わせすることでそこを解消できたのは、とてもありがたかったです。

花江:そうですね。ムゲから発信していく会話が多かったように思います。日之出は役として、きちんと(相手のセリフを)うけずにお芝居することが多かったのですが、ムゲが元気にくるから答えてあげたい気持ちがどうしてもでてきて、個人的には「もうちょっと会話してあげたいな」という思いがありました(笑)。
そんな日之出も悩んでいることがあって、思春期の年頃の男の子って、女の子から好き好き言われてもやっぱりどう答えていいか分からないところがありますよね。友だちもいる学校のなかではそうなるよな……と思いながらも、ムゲが飛び降りてケガをしたときは親身に接するなどして、やっぱり根は真面目で優しい子なのだと感じました。
志田:私は読み合わせのとき、自分のセリフのタイミングが分からなくなることが多かったのですが、そうしたとき花江さんが日之出以外のキャラクターのセリフも読んでくださって、とてもありがたかったです。花江さんに助けていただきながら無事に読み合わせを終えることができました。
本番の収録でも私が何度も録り直すことになって申し訳なかったのですが、どのシーンも花江さんが引っ張ってくださいました。花江さんが、日之出として横にいてくださるおかげで、私自身、自然とでてくるセリフの言いまわしや、自宅で練習しているだけでは出せない感情をだすことができたと思います。花江さんと一緒に収録ができて本当によかったです。

志田:ムゲは言動の意味が分からない「無限大謎人間」とまわりから呼ばれていますが、それも彼女なりの“仮面”なんですよね。学校でも仮面を被り、家に帰っても別の仮面を被ったままでいないといけなくて、周りからの愛情などに気がつけない部分があったりするのかな、まだちょっと大人になりきれていない部分があるのかなという印象がありました。
演じるにあたっては、最初にもお話した「ムゲの声を意識してつくりすぎないように」と監督からおっしゃっていただいたことが、やっぱり大きいです。自分の部屋で、ムゲが仮面を外してお父さん(笹木洋治)とその婚約者の水谷(薫)さんに感情を爆発させるシーンでは、自分なりに感情をのせてやると、どうしても映像とタイミングがあわなかったのですが、監督から「自分の気持ちだけで、普段のお芝居のようにやってみてください」と言っていただき、最終的には映像を見ずにやることで自分の気持ちだけでムゲの感情をつくりあげることができました。
志田:大切なほんとの最後の最後のシーンだけ、実際に花江さんと向き合ってお互いの目を見ながら一言ずつセリフを言うという録り方をしました。監督の無茶ぶりからはじまった方法なんですけど(笑)、そこはもう私自身すごく緊張しながらやっていて感情のこもったシーンになっていると思います。
花江:収録でそういうやり方はまずしなくて、監督からは「志田さんの目をちゃんと見てやってください」と言われました。かなり恥ずかしかったですし、実際ドキドキしました(笑)。
志田:演技プランとかはない……ですね。そもそもプランを考える余裕は自分にはなくて、とにかく現場で声をだしてみて感じたことをそのまま表現する――本当にどのシーンも、そういうふうにお芝居していました。今言っていただいた手紙を読まれるシーンは演じながらすごく悔しい気持ちになっていって、日之出が最後に見せた表情を見たときは本当につらくなり、ムゲの感情がグサッと私自身に伝わってきたのを覚えています。
花江:あのシーンは日之出の感情もけっこう爆発していて、彼としては珍しい表情を見せています。勢いで思ってもいないことを言ってしまうことってやっぱりあって、それをムゲに対して言ってしまった後悔の気持ちや、そのあと自宅であらためて彼女からの手紙を読み返して、自分のなかで気持ちの変化がおきていくところなど、学生時代に抱えていた思春期ならではの複雑な感情を演じながら思い出しました。

花江:日之出が太郎のお腹に顔をこすりつけるシーンがあるんですけど、あそこなんかは「猫を飼っているとやりたくなっちゃうよな」と思うので(笑)、猫好きの方には響くんじゃないでしょうか。あと、ひとつひとつの猫の動作がとてもリアルで、横から見たときの歩いている足の出方など、おそらく猫をすごく研究されて映像にされていることが見ていて伝わってきました。そんなところも、猫を飼っている方には楽しんでいただけるんじゃないかと思います。
志田:物語はファンタジーではあるのですが、リアルに感じられるところがいっぱいあって、たくさんの愛がつまった作品です。ムゲと日之出が一生懸命もがいている姿を見ていると、きっと応援したくなると思いますので、2人が一歩踏み出す瞬間をぜひ見届けていただけたらうれしいです。
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