仏サイトが選ぶ、自宅で見るべき日本の80年代アニメシリーズ
2020年4月11日 09:00
[映画.com ニュース] 世界中に影響を及ぼしている、新型コロナウイルス。3月17日から日本よりも厳しい「外出禁止令」が出されているフランスで、最大手の映画情報サイトallocineが自宅で見るべき80年代の日本のアニメシリーズを発表した。日本とは異なるタイトル、異なる視点での見どころを同サイトのページから引用して紹介する。子供の鑑賞推奨年齢も書き添えてある。
英訳すると、「ケン・ザ・サバイバー」といったタイトル。「超暴力的な原作漫画はテレビ化の検閲を経て、10代の視聴者のための特別なシリーズとなった。このシリーズがフランスでカルト的なものになっているのは、その血なまぐさい描写であると同時に、吹き替えのためでもある。俳優たちは、セリフを好きなように変えられるという条件で声優として参加。その結果、オリジナル版には全くないコミカルな面が表れている」とのこと。セリフ改変で、仏版は一体どんな物語になっているのか気になるところだ。
昨年、フランスで実写映画化され、日本でもスマッシュヒットを記録した「シティーハンター」。主人公の冴羽リョウのフランス版の名前であるNicky Larson(ニッキー・ラーソン)がタイトルに。「私たちは漫画『シティーハンター』とアニメ化された『ニッキー・ラーソン』を区別する傾向があるが、これは確かに2つの異なる作品である。漫画はフィルムノワールのような表現を用い、アニメ版はユーモアに重点が置かれて、たくさんのスカトロジー的なギャグと性的表現がある。フランス版は(子供が鑑賞するため)それらを省いている」とのこと。
1988年にアニメを放送する子供向けプロブラム「クラブ・ドロテ」で検閲版が放送されていたと紹介。「ファンに耳より情報、アラレは、『ドラゴンボール超』の69話でベジータを倒しています」と小ネタも。
フランス革命前から革命前期のベルサイユを舞台にした池田理代子氏の同名漫画が原作のアニメ。「A2チャンネル(当時放映されたチャンネル名)にとって、プルーストのマドレーヌのようなノスタルジーを引き起こす作品」と格調高く紹介され、「構想から40年経った今もなお、断固としてモダンなシリーズであり続けています。18世紀のフランス軍の騎士フランソワ・オーギュスタン・レイニエは、1793年10月16日に処刑される前にマリー・アントワネット王妃から何度も逃れようとしたことで有名な人物です」と男装の麗人オスカルのモデルとなったといわれる人物について解説。勉強になります。
寺沢武一氏の同名SF漫画が原作のアニメ。「フィリップ・K・ディックの小説からインスパイアされた、アクションとコメディをミックスしたSFシリーズ。口に葉巻を咥えた主人公のモデルは(仏俳優)ジャン=ポール・ベルモンドである」と解説されている。
世界で愛されたサッカーアニメ。翼がオリビエ、ゴールキーパーの若林君がトーマス(愛称トム)という名前に変更されているので、仏版タイトルは「翼と若林」という設定。映画版で描かれたフランスで開催されたジュニアユース選手権についても言及されている。
映画から演劇、テレビシリーズまで、100近くの関連作が生み出されたという、原作者コナン・ドイルの偉業を称え、本シリーズに関しては「ジブリの宮崎駿監督や『レディジョージィ』『宇宙伝説ユリシーズ31』など当時の神話的アニメを担当した御厨恭輔監督が参加し、イヌの姿をしたキャラクターたちが様々な謎を丹念に調査解決していきます」とマニア向けの情報が記載されている。
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