【若林ゆり 舞台.com】舞台ファンよ、コロナ禍に負けるな! 自宅で観劇を楽しめるサービスを徹底紹介

2020年4月11日 11:00

「松竹チャンネル」で4月17~26日に鑑賞できる「三月大歌舞伎」全幕
「松竹チャンネル」で4月17~26日に鑑賞できる「三月大歌舞伎」全幕

[映画.com ニュース] 世界中で、劇場の灯が消えた。新型コロナウイルスの感染拡大で、上演中だった、または上演予定だった舞台作品は軒並みクローズ。楽しみにしていた観劇のチャンスが失われ、ガッカリしている人も多いと思う。この苦しい時期を、舞台ファンは耐えなければならない。ならば、自宅で観劇。ステージの収録映像やライブ配信を自宅にいながら楽しめるサービスを紹介しよう!(文/若林ゆり)

まずは、海外のサービスから。ブロードウェイでは6月までの劇場のクローズが決まっているが、これまでに上演されたブロードウェイのミュージカルや演劇作品をオンラインで楽しめるストリーミング・サービスが、「Broadway HD」(https://www.broadwayhd.com)。月額8.99ドルか年間99.99ドル(税別)を支払えば、「ジキル&ハイド」や「キンキー・ブーツ」、ヒュー・ジャックマン主演の「オクラホマ!」、渡辺謙主演の「王様と私」など、100本に及ぶライブラリーから自由に視聴できる。作品はいずれも、上演舞台を映画として収録したクオリティの高いもので、満足できること請け合いだ。

このほか、スターたちが独自に配信サービスやSNSなどを通じてパフォーマンスを披露したり、演劇業界を救うチャリティのために舞台作品を公開したりする動きも出てきている。ブロードウェイのポータルサイト「broadway WORLD」(https://www.broadwayworld.com/)では、スターたちが自宅でパフォーマンスを行う「LIVING ROOM CONCERTS」シリーズをスタート。同じくポータルサイトの「Broadway.com」(https://www.broadway.com)では、「LIVE AT FIVE : HOME EDITION」シリーズを毎日公開。「ハミルトン」のリン・マニュエル・ミランダらスターたちが、日替わりでリラックスしたパフォーマンスを見せている。

イギリスでこの事態を受け、ファンのために立ち上がったのが、ミュージカル界の巨匠アンドリュー・ロイド=ウェバーだ。彼は悲しむファンが自宅で作品を楽しめるようにと、YouTubeに自分のチャンネル「The Shows Must Go On!」(https://www.youtube.com/channel/UCdmPjhKMaXNNeCr1FjuMvag)を開設。自分の作品を毎週金曜日の午後7時(日本時間は土曜日の午前3時)から48時間限定で無料公開している。第1弾は4月4日から「ジョセフ・アンド・ザ・アメージング・テクニカラー・ドリームコート」を、第2弾は11日から「ジーザス・クライスト・スーパー・スター」を配信。以後も「オペラ座の怪人」「ラブ・ネバー・ダイ」「バイ・ジーヴス」「キャッツ」「エビータ」などが続く予定だ。

また、イギリスのナショナル・シアターも、YouTubeで「National Theatre at Home」(https://www.youtube.com/user/ntdiscovertheatre/featured/)をオープン。4月3日からはジェームズ・コーデン主演の「一人の男と二人の主人 One Man Two Guvnors」(日本ではムロツヨシ主演で「恋のヴェネツィア狂騒曲」として上演)を、11日からは第2弾の「ジェーン・エア」を無料で1週間、フル公開。17日からは「宝島」、その翌週は「十二夜」と、順次人気作品を見ることができる。

「松竹チャンネル」で4月26日まで鑑賞できる「明治座 三月花形歌舞伎」出演者たちの座談会
「松竹チャンネル」で4月26日まで鑑賞できる「明治座 三月花形歌舞伎」出演者たちの座談会

日本でも、自宅で観劇できるサービスはどんどん増えている。いま注目すべきなのは、歌舞伎だ。YouTubeの「松竹チャンネル」(https://www.youtube.com/user/SHOCHIKUch/)では、3月に上演が中止となってしまった演目の関連映像を、期間限定で無料公開してくれるのだ。4月6日午後4時~26日午後23時59分は「明治座 三月花形歌舞伎」の出演者、中村勘九郎(6代目)らによる座談会を。13日午後4時~19日午後23時59分は、京都・南座で収録されたスーパー歌舞伎II「新版 オグリ」の市川猿之助(4代目)主演のフルバージョンおよび中村隼人主演のハイライトエディションを。17日午後4時~26日午後23時59分は、歌舞伎座「三月大歌舞伎」の全幕、昼の部「雛祭り」「新薄雪物語」、夜の部「梶原平三誉石切」「高坏」「伊賀越道中双六 沼津」を配信する。歌舞伎未体験、という人にもおすすめだ。

「松竹チャンネル」で4月13~19日に鑑賞できるスーパー歌舞伎II「新版 オグリ」
「松竹チャンネル」で4月13~19日に鑑賞できるスーパー歌舞伎II「新版 オグリ」

そして、同じくYouTubeの「国立劇場チャンネル」(https://www.youtube.com/c/NationalTheatreTokyo)では、4月6日~30日午後3時の期間限定で、3月に上演中止となった通し狂言「義経千本桜」を公開中。尾上菊之助が平知盛、いがみの権太、忠信(実は源九郎狐)の三役を演じることになっていたこの演目を、無観客で通し上演、収録した貴重な映像だ。

また、歌舞伎作品をコンスタントに放映しているのが、松竹ブロードキャスティングが運営するCS放送「衛星劇場」(https://www.eigeki.com/)。歌舞伎のほかにも松竹新喜劇から2.5次元、シェイクスピア作品までさまざまな演劇作品がラインナップされており、毎月第3日曜日は「どっぷりステージDAY」と称して舞台映像を多数放映する。

CS放送「衛星劇場」では、様々な演劇作品をラインナップ
CS放送「衛星劇場」では、様々な演劇作品をラインナップ

宝塚歌劇団も、CS放送の専門チャンネル「タカラヅカ・スカイ・ステージ」(https://www.tca-pictures.net/skystage/)を持っている。3月の東京宝塚劇場での雪組公演「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」は約3分の2がキャンセルとなり、千穐楽公演だけはなんとか上演。その公演は映画館でのライブビューイングをやる予定だったのだが、なんと「タカラヅカ・スカイ・ステージ」でのライブ中継を敢行してくれたのである。最高のファンサービスにファンが感涙したのは言うまでもない。このチャンネルでは過去作品のほか、タカラジェンヌのトーク番組などオリジナル映像も充実している。スカパー!では、4月10日~12日の3日間、無料放送を実施しているので、見てみてはいかがだろう。

宝塚歌劇団のCS放送専門チャンネル「タカラヅカ・スカイ・ステージ」
宝塚歌劇団のCS放送専門チャンネル「タカラヅカ・スカイ・ステージ」

また、宝塚は「スカイ・ステージ」のほかに、スマホやPCでいつでもどこでもインターネットで動画配信を楽しめる「タカラヅカ・オン・デマンド」(https://www.tca-pictures.net/vod/)のサービスも。ひかりTV、Rakuten TV、GYAO、J:COMオンデマンド、ビデオパス、Amazon Prime Video、VideoMarketの各サービスで受信可能。こちらでも過去の作品はもちろん、ここでしか見られない映像もあるので、見逃せない。

いつでもどこでもインターネットで動画配信を楽しめる「タカラヅカ・オン・デマンド」
いつでもどこでもインターネットで動画配信を楽しめる「タカラヅカ・オン・デマンド」

新国立劇場では、4月10日より期間限定で、過去の公演記録映像を無料でストリーミング配信する「巣ごもりシアター」(https://www.nntt.jac.go.jp/release/detail/23_017336.html)をスタート。まずはオペラ作品から、大野和士芸術監督の第1シーズンより「魔笛」「トゥーラントッド」「エウゲニ・オネーギン」を1週ごとに配信する。

動画配信サービスでは、演劇作品に特化したオンデマンド「観劇三昧」(https://v2.kan-geki.com)にも注目したい。ここでは、全国404劇団の約1400作品を月額950円(IOSアプリ内定期購読は955円)で見放題できちゃう。小劇団・小劇場のファンなら、気軽に試し見できるのがうれしいところ。

多くの2.5次元作品を手がけるネルケ・プランニングも、各配信サービスを通して舞台映像を配信。それぞれの作品がどのサービスで、いくらで視聴できるかは、公式サイトの「配信」ページ(https://www.nelke.co.jp/delivery/)で確認できる。

企画からオーディション、稽古まですべてをテレワークで行う「劇団テレワーク」
企画からオーディション、稽古まですべてをテレワークで行う「劇団テレワーク」

このほかにも、人気の演劇作品をラインナップしていることで知られるBS放送のWOWOW(https://www.wowow.co.jp)は外せないし、舞台作品を公開したり、出演者が生放送でイベントを行ったりするニコニコ動画(https://www.nicovideo.jp/)も要チェック。俳優たちのYouTube活動、Instagramのインスタライブ、LINELIVE、Facebookの動画ライブなどもこまめに探してみよう。企画からオーディション、稽古まですべてをテレワークで行う「劇団テレワーク」(https://youtu.be/FQdxAJxcIgs)や、LINELIVEを使った配信型演劇フェスティバル「OHINERI」(http://officeendless.com/sp/ohineri/)など、この苦境だからこそアイディアを懲らした新しい企画も生まれている。

舞台の魅力は、劇場へ出かけていって体感する生(ナマ)の醍醐味。しかし、出かけられないのであれば、映像でウォーミング・アップしながら再び観劇できる日を待つしかない。映像の中の舞台にも、意外に新たな発見や感動が待っているかも……!

(映画.com速報)

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