直木賞受賞作「ホテルローヤル」、監督・武正晴×脚本・清水友佳子で実写映画化!
2020年4月3日 08:00

[映画.com ニュース] 第149回直木賞を受賞した桜木紫乃氏の小説「ホテルローヤル」(集英社文庫刊)の映画化が決定した。メガホンをとるのは「百円の恋」「嘘八百」の武正晴監督。脚本は、NHK連続テレビ小説「エール」を手掛ける清水友佳子が担当している。
原作小説は、累計発行部数85万部(電子書籍を含む)を突破。発売元の集英社では“ここ5年で発売した中で最も売れた単行本・電子書籍”としても知られ、今なお性別を超えて多くの読者に愛されている作品だ。7編からなる連作小説となっており、北海道の湿原に立つラブホテルを舞台に、現在から過去へ時間軸をさかのぼり、ホテルの盛衰とそこを訪れる人々の生と性を、切なくも瑞々しいタッチで紡いでいる。
映画では、原作の持つ静ひつな魅力をそのままに、閉塞感のある日常を離れ、ホテルローヤルの扉をひらく男女、問題を抱える経営者家族と従業員、それぞれの人生模様が、ホテルの経営者家族のひとり娘・雅代を主軸にして描かれる。武監督は「桜木紫乃さんの名作を映画化できるとお話しをいただき5年。ようやく映画が完成でき、ホッとしている」と胸をなでおろし、作品への思いを吐露する。
武監督「原作を読んで『ホテルローヤル』というホテルそのものを主人公にできないかと妄想した。どうしても釧路で撮らなくてはと考えた。釧路という土地が我々撮影隊に力を与えてくれた。桜木さんが我々のシナリオに自由を与えてくれた。この原作に惚れ込んだ素晴らしいキャストとスタッフが集結して挑んでくれた。僕の敬愛する啄木が、さいはてと呼んだ土地での仕事を僕は一生忘れないだろう。釧路、札幌、北海道の土地のおかげで、唯一無二の映画が創れたと自画自賛している」
一方、桜木氏は「あの日あの場所にいたかもしれない人を、小説というかたちで裸にしたと傲慢にも信じていたので、映像化のお話をいただいたときは『遠慮なく好きに作ってくださいね』などと言っていた」と述懐。「しかし新たな姿で目の前に現れた『ホテルローヤル』は、あの日あの場所にいたかもしれない経営者やホテルに集う『家族』の物語となっていた。正直に言うと映画という表現に書き手の内面を素っ裸にされたような気持ちになった。脱がせたつもりが脱がされていた――エンドロールで泣いてしまうという失態。悔しかった」とコメントを寄せている。
「ホテルローヤル」は、今冬に全国で公開。
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