石橋蓮司、18年ぶり主演映画に豪華俳優集結も理由は“遺作”に苦笑「二度とやらない」
2020年3月9日 20:39
[映画.com ニュース]俳優の石橋蓮司が主演の映画「一度も撃ってません」の完成会見が3月9日、都内で行われた。石橋にとっては、18年ぶり2度目の主演。そのお祝いとばかりに大楠道代、岸部一徳、桃井かおり、佐藤浩市、江口洋介ら豪華俳優陣が顔をそろえた。
当初は完成披露試写会の予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大により会見へ変更となり、阪本順治監督は「(4月24日の)公開までに終息することを願っています」と話した。それでも、「蓮司さんはアルコールで手を消毒するだけでなく、全身もアルコール消毒しているので初日には元気な姿を見せてくれると思う」とジョーク交じりに期待した。
デビュー作で共演している桃井は、「これだけすごい俳優が集まったのは、蓮司が今までどれだけ尽くしてきたか。ここに日本映画の良心がある」と称賛。だが、佐藤は「僕は監督から蓮司さんの最後の主演作というお題目でお誘いを受けた。えっ、言っていない? 僕の勘違いでした。すいません」と話し、石橋を苦笑させた。
だが、石橋が「これだけの人が出ているから、どうやって説得したんだろうと思ったら、遺作になるかもしれないと言っていたらしい」と暴露。そして、「生前葬のつもりでやりました。長い間、お世話になりました」と自虐を交えて語った。
すると、桃井が「(原田)芳雄さんの最後の映画も監督が撮っているから。これで蓮司が死ぬと、監督の映画に出たら死ぬってなっちゃうじゃない」と悪ノリ。さらに、「私は蓮司の背中を見て育ったから、こんな女優になっちゃった。これは、石橋蓮司という俳優を世界に出そうというプロジェクトです」とぶち上げた。
周囲のはしゃぎぶりに石橋は、「主演だから、つけまつ毛をしていいかと言ったらダメ、ヅラをかぶっていいかと言ったらダメ、だったら普段通りやるしかねえなと思った」と苦笑しきり。阪本監督が「酷使しましたよ」と明かすと、「大事にしてくれるわけでもないし、朝は早くて終わるのも最後。酒も飲めないし、二度とやらない」とこぼした。
会見にはほかに妻夫木聡、新崎人生、井上真央、渋川清彦、前田亜季、小野武彦が出席し、写真撮影では石橋以外の全員が石橋の顔写真パネルを持ったため、佐藤が「遺影みたい」とつぶやくと全員が大爆笑。それでも、石橋は「皆が本気でやってくれたのにビックリして、面白がってやってくれたのが良かった。どの登場人物を取っても、1本の映画が撮れるくらいの感じで、僕は水先案内人のようなもの」と控えめに自信のほどを語った。
また、同作では佐藤と寛一郎が親子初共演を果たし、佐藤は「彼も現場を楽しんでくれていた」と笑顔。石橋も「寛一郎とやれて、三國(連太郎)さん、浩市の三世代と共演できた」とうれしそうだった。
「一度も撃ってません」は、ハードボイルド小説を極めるために伝説のヒットマンに仕事を依頼する売れない小説家の姿をコミカルに描く。
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