竹中直人×山田孝之×齊藤工「ゾッキ」撮影地・蒲郡市は「理想的な場所ばかり」
2020年2月4日 13:30

[映画.com ニュース] 漫画家・大橋裕之氏の初期傑作集を映画化する「ゾッキ」の製作発表会見が2月3日、愛知・蒲郡クラシックホテルで行われ、監督として参加した竹中直人、山田孝之、齊藤工のほか、大橋氏、プロデューサー・伊藤主税氏、蒲郡市長・鈴木寿明氏、蒲郡商工会議所会頭・小池高弘氏、映画「ゾッキ」蒲郡プロジェクト委員会実行委員長・水野順也氏が出席した。
企画発起人となった竹中は、「2年前に『火星のふたり』という倉持裕さん作演出の舞台をやった時に、ゲストで出ていた前野朋哉の楽屋が向かいで、よくちょっかいを出しにいっていたのですが、楽屋の冷蔵庫の上に『ゾッキA』『ゾッキB』が置いてあって。普段あまり漫画も読まないんですが、自分の楽屋で広げて読んだら、とても感動してしまって『うわあ、これ映画にしたい』とすごく思って。でも自分ひとりの力では、年を取ってしまっていてこれ無理だなと思って、山田君、齋藤君を誘って。そしたらやってくれるってなって『やったあ!』ってなりました」と経緯を説明。大橋氏の生まれ故郷・蒲郡市については「本当に(映画の撮影に)理想的な場所ばかり」と意欲を見せた。

監督初挑戦となった山田は、原作漫画に衝撃を受けたことから「監督をするという気持ちは今まで1ミリもなかったんですが、これはどうしても参加したいということで初挑戦ながら、皆さんに助けてもらいながらならなんとかなるだろうという思いでやっていきます」と告白。同市には既に3回ロケハンに来ているようで「地元の人と交流する機会もいただいて。ロケハンしていてもこんなにワクワクするもんなんだなって。大橋さんが育ったところで、この景色も『ゾッキ』に反映されているんだろうなって。ロケハンでもビタっとハマるような場所がありました。地元の人には何気ないものでも普段東京で生活していると、どう切り取っても素敵なところばかりです」と語っている。
劇場公開長編3作目となった齊藤は「日本映画の心臓部とも言える、お二方と新しい切り口の映画を作れること、非常に光栄です」としみじみ。また、出産子育てをきっかけに映像業界を離れざるを得ないスタッフのため、蒲郡市子育て支援課と市が運営するファミリーサポートの協力で託児所が実現したことについて、発案者しての意見を述べた。
齊藤「個人的な考えから始まったんですが、出産子育てと撮影現場が乖離していることは日本映画の損失だと思っていました。託児所があることで、監督やスタッフが映画に尽力することができるならばと考えていました。自分の撮影現場でできるならばということで、昨年、自分のイニシアチブを取れる作品で高崎市で挑戦しました。今回もプロデューサー、監督、蒲郡市も市長をはじめ地域の方たちの協力と快諾を得て小さなこころみではありますが実現できました」

原作者の大橋氏は「(実写化は)びっくりして、本当にうれしい。ほぼ自費出版のところからスタートして、この作品はヘンな漫画だとよく言われるのですがヘンな漫画だと思ってもらえるなら僕はうれしいです。実写化ですが監督には自由に撮ってほしい」と期待を込める。「まさか生まれた蒲郡で撮影をするなんて思わなかったです。びっくりしています。昔からの建物や風景がどんどんなくなっていく中で、映画としてずっと残っていくのはうれしいです」とコメントを寄せていた。
「ゾッキ」は、本日2月4日にクランクインし、2月末まで撮影を行う。2021年に全国公開を予定。
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