立ち止まれば“死”!オスカー候補「1917 命をかけた伝令」緊迫の本編映像
2020年1月30日 12:00
[映画.com ニュース] 「007 スペクター」「レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで」のサム・メンデス監督がメガホンをとった「1917 命をかけた伝令」の本編映像を、映画.comが先行入手した。2人の兵士に危機が迫る緊張の一瞬を収めている。
本作は、第一次世界大戦下に参加した2人の若きイギリス兵の“ある1日”を描いた作品。イギリス兵のスコフィールド(ジョージ・マッケイ)とブレイク(ディーン=チャールズ・チャップマン)が、進軍する仲間と兄弟が所属する1600人の友軍兵士たちに「作戦中止」の重要な伝令をするべく、危険が待ち受ける敵の陣地を抜けようとする。
物語への没入感を高めるため、屋外ロケでのワンカット撮影という驚がくの手法を全編に採用。第92回アカデミー賞では、作品賞を含む10部門にノミネートされた。
公開されたのは、託された伝令を少しでも早く届けるため、スコフィールドとブレイクが、敵地に残された古い塹壕を進むシーン。物はすべて壊され、光の無い暗闇の中を手探りに進んでいた2人だったが、残されていたトラップの爆弾が爆発してしまう。崩れ落ちていく塹壕の中、瓦礫の下敷きになったスコフィールドは、大量の土埃で視界までもが奪われる。目の前には大きな亀裂があり、刻一刻と崩れていく壁や天井、進むべき方向すら分からないなか、立ち止まれば確実に“死”が襲いかかるという、緊迫感あふれる映像だ。
撮影前に入念なリハーサルを重ねたというマッケイは「スコフィールドとブレイクは、全編を通して常に走るか立っている。腰を下ろしているのは2~3シーンだけだ。それに、撮影では1日で60回は歩いたり走ったりすることになるかもしれない。そのことに気づいてまずいと思ったよ」と、体力面での過酷さを明かす。
さらに、マッケイは「実際の時間軸と同じスピードで物語が進行するから、毎テイクが演劇のようだった。一旦撮影が始まったら止められない。何か問題が起きてもやり通すしかなかった」とワンカット撮影の難しさを吐露し、チャップマンも「カメラは主人公の2人から決して離れない」とマッケイの言葉に重ねている。
「1917 命をかけた伝令」は2月14日から全国公開。