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佐々木すみ江さん遺作「記憶屋」撮影秘話 “プロ意識”に平川雄一朗監督「ただただ感動」

2020年1月21日 12:00

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佐々木すみ江さんの素敵な思い出
佐々木すみ江さんの素敵な思い出
(C)2020「記憶屋」製作委員会

[映画.com ニュース] 累計50万部を超える織守きょうや氏の小説を映画化した「記憶屋 あなたを忘れない」(公開中)には、2019年2月に亡くなり本作が最後の仕事となった故佐々木すみ江さんが出演している。メガホンをとった平川雄一朗監督が、撮影秘話を明かした。

恋人から自分の記憶だけがなくなってしまった青年・吉森遼一(山田涼介)が、人の記憶を消せるという都市伝説的な存在である「記憶屋」のことを知り、恋人の記憶喪失の原因を探りながら、大切なものを再確認していく姿を描く。

1951年に「劇団民藝」に入団した佐々木さんは、「楡の木陰の欲望」で新劇演技賞を受賞。ドラマ「ふぞろいの林檎たち」では息子の嫁をいびる母親役、近年では「花より男子」シリーズで道明寺家のメイド長役、NHK大河ドラマ「篤姫」では篤姫の養育係を演じるなど、数々の名作ドラマ・映画を支えてきた。

本作で佐々木さんが演じたのは、過去に自身の母親が記憶屋に会ったという人物。限られた出演時間にも関わらず、その存在感で作品に重厚さを与えている。

平川監督は、佐々木さんについて「実際にお会いしてみると、とてもさばけていて、全てを分かっていて。作品の世界にちゃんと立っていて。本物の女優さんなんだなと本当に尊敬に値する方でした」と明かす。

続けて、「佐々木さんとの撮影では、設定は本当は東京でもよかったのですが、広島まで来ていただいたんです。とても長いセリフだったんですけど、完璧で。ただただ感動してしまいました。思わず握手をいただきに行ったことは絶対に忘れません」と女優魂を称える。「佐々木さんの遺作となったわけですが、佐々木さんが引き継いできた思いや、プロとしての意識を後世につなげていかなければと思っています」と、平川監督にとって“忘れたくない”出会いになったようだ。


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