松田龍平、海外の映画祭で初受賞! 綾野剛&大友啓史監督と「影裏」ワールドプレミアに参加
2019年12月10日 04:00
[映画.com ニュース] 大友啓史監督作「影裏」に出演した松田龍平が、中国・海南島で行われた「第2回海南島国際映画祭」のベストアクター(最優秀俳優賞)を受賞したことがわかった。松田にとって、海外の映画祭での受賞は初めてのこととなった。
第157回芥川賞を受賞した沼田真佑氏の小説を実写映画化。会社の転勤で岩手に移り住んだ今野(綾野剛)は、そこで出会った同僚の日浅(松田)と仲を深め、遅れてやってきたかのような“成熟した青春の日々”に心地よさを感じていた。だが、ある日突然、日浅は今野に一言も告げずに会社を辞めてしまう。しばらくして2人は再会したもの、一度うまれた距離は埋まらず、会わないまま時が過ぎていく。やがて、日浅が行方不明になっていることを耳にした今野は、彼の足跡をたどるうち、数々の“影の顔”“裏の顔”を知ってしまう。
中国の4大国際映画祭のひとつとして知られる「海南島国際映画祭」は、リゾート地・海南島にある三亜、海口、瓊海の3市をつなぐ「島全体での映画祭」を目指し、昨年に初開催。2回目となる今年は、仏女優のソフィー・マルソーがアンバサダーを務め、「マスタークラス」には黒沢清監督が招待され、特集上映を実施。イザベル・ユペールが審査委員長を務め、「セールスマン」「誰もがそれを知っている」のアスガー・ファルハディ、イーサン・ホークも訪れていた。「影裏」は、第2回から新設されたコンペティション部門に、日本から唯一選出されていた。
8日昼(現地時間)に行われたワールドプレミア上映には、綾野、松田、大友監督が登壇。「こんにちは、中国のみなさん、僕のことをガンズと呼んでください」と中国語で挨拶した綾野は、今野役のアプローチについて「まずは演じるというよりもその人物を生きるという感覚が強いです。映画の中でちゃんと生活するということを心掛けました。龍平君との時間が長かったので彼との時間をすごく大切にしました」と説明。一方、松田は「この作品は決してわかりやすいエンタテイメント映画ではないので、こうやってみなさんと触れ合える機会を作ってくれた海南島国際映画祭に感謝します」と述べた。
同日夜に行われた閉会式前には、3人がレッドカーペットセレモニーに参加。海沿いのデッキに敷かれた“オレンジカーペットイベント”で、ファンの熱気を目の当たりにした綾野は「第2回目でこれだけの規模の映画祭を僕は他に知らないです」と胸中を吐露。「映画は世界の共通言語、ノーボーダーだなと改めて思いましたし、ワールドワイドいろいろな国の方がいらっしゃって、わくわくするしすごく心地がいいです。参加できてよかったです」と話していた。
松田は、閉幕式で発表されたコンペティション部門のベストアクターに、自身の名前がコールされると、驚きの表情を浮かべたままステージへ。「信じられないです。胸がどきどきしています。賞をいただけると思ってなかったので言葉の準備をしていなくて何を言ったらよいか…ただ、海南島国際映画祭に本当にただただ感謝しています。賞をありがとう。それから、映画にかかわった監督をはじめスタッフのみんな、とても素晴らしい賞をいただきました」とコメントを寄せていた。
「影裏」は、2020年2月14日から全国公開。
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