中村倫也、1人7役に挑戦! 吉野耕平監督長編デビュー作「水曜日が消えた」2020年公開
2019年10月4日 05:00
本作の主人公は、ひとりの人間の内側で、曜日ごとに入れ替わって暮らしている7人の“僕”。彼らは、他の“曜日”とは直接会うことはできず、日記を通してのみ、間接的に互いを知っている。劇中では、地味でつまらない“火曜日”の視点を通して、物語が描かれていく。
「日経トレンディ」(日経BP社)が選ぶ“2019年の顔”に選出され、ドラマ「凪のお暇」のゴン役でも注目を集めた中村は「完成した画が予想できない脚本でした。また自分が7役演じることも『やっかいだなあ~』と(笑)」と述懐。「でもだからこそ、あまり類をみない邦画になる期待感を抱きましたし、いくらでも大ごとにできる出来事をあくまで日常として描いていくささやかさに好感を持ちました。ザラッとした、じんわりと温かい手触りを残せる作品になっていると思います。ご期待ください」とアピールしている。
次の時代を担う気鋭の映像クリエイター100人を選出するプロジェクト「映像作家100人 2019」に選ばれ、新海誠監督作「君の名は。」にはCGクリエイターとして参加した吉野監督。「もしも自分の中に複数の人格があって…その中でも、つまらない“脇役”だったとしたら世界はどう見えるだろうか。ふと考えたそんな小さな空想からこの物語は始まりました。曜日ごとに入れ替わる7つの人格。そのうちのひとりの目を通して世界を見たとき、何が見えるだろうか。何に出会うだろうか」という着想のもと、完全オリジナル脚本を執筆した。
VFXも兼ねた吉野監督は「目が覚めたらいつも火曜日の男。彼の目を通して世界を見たとき、見慣れたはずの日常が違って見えてくるかもしれません。そして、そこに隠れていた大事なものに気づくかもしれません」と説明。「架空の物語が、時々現実の見方を変えてくれる、そんな瞬間が好きです。多くの方々の才能と力、そしていくつかの縁と偶然で生まれたこの作品が、誰かにとってそんな一本になってくれれば…と、強く願っています」とコメントを寄せている。
「水曜日が消えた」の撮影は、19年5月下旬から福島県いわき市で行われ、20年の全国公開を予定している。