ケン・ローチ最新作邦題は「家族を想うとき」 「クロ現」で是枝裕和監督と対談も
2019年9月9日 08:30
[映画.com ニュース] 第72回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されたケン・ローチ監督最新作「ソーリー・ウィ・ミスド・ユー(原題)」の邦題が「家族を想うとき」に決定、このほど海外版予告編と日本版ビジュアルがお披露目された。
2016年の第69回カンヌ国際映画祭で、「麦の穂をゆらす風」に続く2度目の最高賞パルムドールを受賞した「わたしは、ダニエル・ブレイク」を最後に、ローチ監督は映画界からの引退を表明していた。しかし、引退宣言を撤回し、グローバル経済が加速する中で変わっていく人々の働き方と、時代の波に翻弄される現代の家族の姿を新たに描き出した。
マイホーム購入の夢をかなえるために、フランチャイズの宅配ドライバーとして独立した父のリッキー。母アビーはパートタイムの介護士として、時間外まで1日中働いている。家族を幸せにするはずの仕事が、家族との時間を奪っていき、高校生の長男セブと小学生の娘のライザ・ジェーンは寂しい想いを募らせてゆく。そんななか、リッキーがある事件に巻き込まれる。個人事業主とは名ばかりで、理不尽なシステムによる過酷な労働条件に振り回されながら、家族のために働き続ける父。そんな父を支えようと互いを思いやり懸命に生き抜く母と子供たち。日本でも取り上げられる労働問題と、現代社会が失いつつある家族の力強い絆を映し出す。
また、9月17日、午後10時からNHK総合テレビにて放送予定の「クローズアップ現代+」では、「是枝裕和×ケン・ローチ “家族”と“社会”を語る」と題し、ローチ監督と是枝裕和監督のロンドンでの対談の様子を紹介。両監督が新作で“家族”をテーマに、ローチ監督を師と仰ぐ是枝監督の思い、お互いのキャストへの演出へのこだわりや、両監督が「映画が不寛容な社会にできること」をテーマに熱く語る。
「家族を想うとき」は、12月13日から、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開。
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