M・スコセッシ監督最新作「アイリッシュマン」、11月27日配信!上映時間は監督史上最長に
2019年8月30日 11:30
[映画.com ニュース] マーティン・スコセッシ監督とロバート・デ・ニーロが9度目のタッグを組むことで話題のギャング映画「アイリッシュマン」の上映時間が、スコセッシ監督作史上最長となる3時間半に及ぶことが、米IndieWireによって明らかになった。
Netflix製作・配給による同作は、伝説的なマフィアであるラッセル・バッファリーノに仕えた実在の殺し屋で、1975年に失踪した全米トラック運転組合委員長ジミー・ホッファをはじめ、多くの殺人事件に関与したとされるフランク・“アイリッシュマン”・シーランの人生を描く犯罪ドラマ。シーラン役で主演を務めるデ・ニーロのほか、アル・パチーノ、ジョー・ペシ、ハーベイ・カイテルら豪華キャスト結集のもと、回想シーン用にILM(インダストリアル・ライト&マジック)が総力をあげて取り組んだ、キャストたちを若返らせる特殊効果作業を含め、推定2億ドルもの製作費を注ぎ込んだ超大作だ。
「ウルフ・オブ・ウォールストリート」(178分)、「ギャング・オブ・ニューヨーク」(167分)、「グッドフェローズ」(147分)と長尺が目立つスコセッシ監督の作品群にあっても、210分というのは桁違い。そのため、9月27日(現地時間)に第57回ニューヨーク映画祭でプレミア上映される際も、オープニング作品としては極めて異例の午後3時上映開始となっている。
また、Netflixは同作の配信日が11月27日に決定したこと、ならびに11月1日からニューヨークとロサンゼルスの米2都市で劇場公開したのち、同8日からアメリカのその他の都市とイギリスで劇場公開すると発表。2020年のアカデミー賞を視野に入れ、今度こそ「シアトリカル・ウィンドウ」(映画作品を二次使用する際は、劇場公開開始から90日を開けなければいけないという米興行界のルール)を守るのではないかという大方の予想に反し、今年のアカデミー賞で3冠に輝いた「ROMA ローマ」(アルフォンソ・キュアロン監督)と同様、興行期間をわずか3週間にとどめるというNetflixの決断に、業界内からは驚きの声が上がっている。
米ハリウッド・レポーターが関係者から入手した話によれば、スティーブン・スピルバーグ監督主導のもと映画業界の重鎮たちがアカデミー賞からの閉め出しを画策するなど、Netflix映画への反発が強まるなか、スコセッシ監督自らNetflix首脳陣と「アイリッシュマン」の興行をめぐり、米主要映画館チェーンとの対話を重ねてきたというが、Netflix側が30日間の先行上映を提案したことで、米映画館チェーン最大手AMCとの交渉が決裂。Landmark、iPic、Laemmleといった小規模な独立系チェーンのみでの上映に甘んじるほかないのが現状だという。
「アイリッシュマン」は、Netflixで11月27日に世界同時配信。
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