賛否真っ二つの“シリアルキラー12年間の軌跡” ラース・フォン・トリアー新作、6月14日公開
2019年2月27日 18:00
[映画.com ニュース] あらゆるタブーに切り込みセンセーショナルな反響を巻き起こしてきた鬼才ラース・フォン・トリアー監督の新作「The House That Jack Built(原題)」が、「ハウス・ジャック・ビルト」の邦題で6月14日から公開されることが決定。あわせて、日本オリジナル版のポスタービジュアルもお披露目された。
問題発言によるカンヌ国際映画祭追放処分を受けてから7年――第71回の同映画祭で待望のカムバックを果たしたトリアー監督は、マット・ディロン、ユマ・サーマン、ライリー・キーオ、2月に亡くなったブルーノ・ガンツさんらが見事なアンサンブルを見せる本作をアウト・オブ・コンペティション部門に出品。途中退出者が続出したにもかかわらず、上映終了後はスタンディング・オベーションが鳴りやまないという賛否真っ二つの異様な興奮に包まれた。
1970年代の米ワシントン州。建築家になる夢を持つハンサムな独身の技師ジャック(ディロン)は、あるきっかけからアートを創作するかのように殺人に没頭する。シリアルキラーが体験する5つのエピソードを通じて“ジャックの家”が建つまでの12年間の軌跡を明かしていく。
ポスターは、“家(ハウス)”の形に組み合わさったタイトル、怪しい視線を送るジャックの姿を活写がされ、「ゾッとするほど、魅力的」というキャッチコピーも添えられている。また、邦題を決定するにあたり、権利元を通じてトリアー監督に確認をとったところ「本作においては、タイトル自体とても重要で、それを変えることは映画そのものを変えてしまうことにもなりかねない」という回答が届いたようだ。ただし、公用語に冠詞や関係代名詞を持たない国でのタイトルについては、それらを削除することが許可され、現在の邦題へと確定した。
アメリカでは、あまりの過激さにアメリカ映画協会(MPAA)が手を加えた修正版のみ、正式上映が許されるという事態となった「ハウス・ジャック・ビルト」。しかし、11月28日にノーカット版を1日限定140館で上映したところ、全米興収ランキングでデイリー11位を記録。そして日本でも、この無修正完全ノーカット版(R18+指定)での上映が実現した。
「ハウス・ジャック・ビルト」は、6月14日から東京・新宿バルト9、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開。