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LiLiCo、DV問題に切り込む映画に共感 いじめられた過去「お母さんに言えなかった」

2019年1月25日 19:35

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幼少期の実体験も語ったLiLiCo
幼少期の実体験も語ったLiLiCo

[映画.com ニュース]第74回ベネチア映画祭で最優秀監督賞に当たる銀獅子賞に輝いた映画「ジュリアン」の公開初日トークイベントが1月25日、東京・新宿シネマカリテで行われ、映画コメンテーターのLiLiCo、映画ライターのよしひろまさみち氏が登壇した。

フランスの新鋭グザビエ・ルグランがメガホンをとった物語。夫の暴力(DV)が原因で離婚した夫婦の間で揺れ動く息子ジュリアンを通して、家族の関係を繊細に、そしてサスペンスフルに描いた。米批評家サイト「Rotten Tomatoes」で94%(1月25日時点)を獲得し、フランスでは観客動員数40万人を記録するなど、世界で高く評価されている注目作だ。

感想を問われたLiLiCoは「映画界でも久しぶりに痛いハッピーエンド」と評し、「これはハッピーエンドの中に入れてもいいとは思うけど、ジュリアンのトラウマは一生消えないからね。私も両親が離婚していて、ケンカが多くて。ケンカに耐えるのが子ども。怒鳴り声とか物を投げる音とか、大きな音が今もトラウマです」と語る。「日本に来てびっくりしたのは、もう夫婦仲は良くないのに、子どものために離婚しないケースが多い。でも、個人的にはそれは違うと思う! 子どもはその状況に耐えられないんですよ」といい、「子どもは大人のことをすごく見てる」と力強く訴えた。そして、スウェーデンと日本のハーフという理由でいじめを受けていた自身の過去に触れ、「日本人のお母さんが傷付いちゃうから、言えなかったよね」と述懐した。

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トークテーマが「作品の見どころ」に移り、「効果音」を挙げたLiLiCo。「銃声の後に人間の耳が聞く『キーン』っていう音も盛り込まれてる。音楽とかセリフが少なくて省いたものが多いからこそ、ジュリアンの素晴らしい演技で全て伝わってくる」と分析し、よしひろ氏も「引き算されてますよね」と賛同する。LiLiCoが「ルグラン監督は、DV被害者から話をまとめて作ったそうですよ」と語ると、よしひろ氏は「いかにDV被害者が多いかっていうことですよね」と溜め息をついた。

家庭内のいざこざに加え、他者に無関心な社会がはらむ問題にも言及している本作。LiLiCoは「最近タクシーの中から、車道で意識のない男性を引っ張っている女性を見かけて。タクシーが避けて通ろうとしたから、私が降りて助けましたよ。警察にも通報して。救急車を待っている時に、1人しか声を掛けてきてくれなかった。何なのこの世の中! って思ったもん」と憤慨。さらに「後日、私の事務所にお礼が来て。変装してたけど声でばれたみたい」と、ほほ笑ましい後日談も披露した。


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