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ゴーゴリ「外套」のことだけを考えて30年…アニメの神様に迫るドキュメンタリー、3月下旬公開

2019年1月21日 06:00

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ロシアのアニメーション作家ユーリー・ ノルシュテインに迫る
ロシアのアニメーション作家ユーリー・ ノルシュテインに迫る
(C)ふゅーじょんぷろだくと

[映画.com ニュース] ロシアのアニメーション作家ユーリー・ノルシュテインに迫るドキュメンタリー映画「ユーリー・ノルシュテイン『外套』をつくる」が、3月下旬から公開されることが決定。あわせて、予告編とポスタービジュアル、場面写真がお披露目された。

話の話」「霧の中のハリネズミ」といった名作を生み出し、手塚治虫宮崎駿高畑勲らをはじめとした世界中のアニメーション作家からリスペクトされたノルシュテイン。30年以上の歳月をかけて、ロシアの文豪ニコライ・ゴーゴリの小説「外套」のアニメーション作品を制作しているが、未だに完成には至らず、それどころか近年は撮影が止まってしまっている。

ゴーゴリの小説「外套」は、帝政ロシア時代のサンクトペテルブルクを舞台にした物語。真面目で貧しい下級役人アカーキー・アカーキエヴィッチは、生活を切り詰めて貯めたお金で新しい“外套”を手に入れる。だが、ある夜、追いはぎに新しい“外套”を盗まれてしまったことで、失意のうちに亡くなってしまうアカーキエヴィッチ。幽霊となった彼は、夜な夜な盗まれた“外套”を探しに回る。

2016年6月、カメラはモスクワにあるスタジオ“アルテ”へ。そこにはおびただしい数のスケッチ、キャラクターパーツ、埃をかぶった撮影台があった。アニメーション作品「外套」はいつ完成するのか、ノルシュテインはなぜ同作に魅了され続けているのか――本作では未完の映像を織り交ぜながら、ノルシュテインが自らの心の内を語る。メガホンをとるのは、ノルシュテインと古くから交流を持つ「セシウムと少女」の才谷遼監督。「おくりびと」の川島章正が編集、加藤雄大が撮影を担当している。

予告編では、撮影ストップの状況について問われたノルシュテインが「よくわからない。何かが私の中にあったんだろう」「この30年……『外套』のことだけを考えてきた」と心境を吐露。やがて「皆『外套』の完成を待っているという事実を、あなたは理解していない!」と厳しい意見に対して「待つことないよ」とあっけらかんと語るノルシュテイン。“アニメーションの神様”の苦悩、情熱、そして創造の源が紐解かれていく。

ユーリー・ノルシュテイン『外套』をつくる」は、3月下旬から東京・渋谷のシアターイメージフォーラムほか全国順次公開。なお、本作の公開にあわせて「ユーリー・ノルシュテイン監督特集 アニメーションの神様、その美しき世界」の再上映も決定した。

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