水谷豊の監督最新作、題材は“ひき逃げ” 出演に岸部一徳&檀ふみ、特報も披露
2018年12月5日 05:00
[映画.com ニュース]「相棒」シリーズなどで知られる俳優・水谷豊が監督・脚本・出演を兼ねた完全オリジナル映画のタイトルが、「轢き逃げ 最高の最悪な日」に決まり、2019年5月10日から公開されることがわかった。水谷自身が「『嫉妬』という感情を掘り下げて、普段、他人には見せる事のない“人間の心の奥底にあるもの”を映画として描いてみたい」と語っていた今作。共演には旧知の間柄である檀ふみ、岸部一徳らが名を連ね、あわせて静かに心情がにじみ出る特報映像も披露された。
ある地方都市で起きたひき逃げ事件を発端に、車を運転していた当事者、被害者の両親、事件を追う刑事たちの人生が複雑に絡み合い、彼らが心の奥底に抱える何かを浮き彫りにしていく。脚本も執筆した水谷がこだわったのは、犯人探しではなく登場人物の“心の軌跡”だ。否応なく運命に翻ろうされる人々が、いかにして悲劇の先にある“人生の答え”にたどり着くのかを追っていく。
キャストでは、水谷がひき逃げで命を落とした女性の父・時山を演じ、ドラマ「陸王」「とと姉ちゃん」などで存在感を示す檀がその妻・千鶴子役で共演する。旧知の間柄の檀は水谷組初参加。「TAP THE LAST SHOW」に続いての参加となる盟友・岸部は、ベテラン刑事・柳役を務めている。そして中山麻聖が、結婚式を目前に控えながらもひき逃げ事件を起こしてしまう秀一役、石田法嗣がその親友・輝役。物語の鍵を握る加害者側2人は、オーディションで抜てきされた。さらに小林涼子が秀一の妻・早苗役、毎熊克哉が若手刑事・前田役に扮している。
脚本に初挑戦した水谷は、「ストーリーを作る上で、まず描きたい事柄が映像として浮かんできました。その中で登場人たちがどう行動するのか? などを考えていくと、ストーリーが膨み、自然と登場人物が動きだし、物語を紡いでくれました」と振り返り、「自然体で取り組むことができ、脱稿後には『なんで、このような脚本が書けたのだろう』と不思議な感じがしました」と驚きをもって明かす。続けて「脚本の執筆を終えると、監督としての新たなアイデアが出てくるのも不思議な経験でした。今になると、僕の場合は脚本執筆と監督が地続きになっており、自分の構想を監督として映像化するに当たり、脚本の執筆は必要不可欠であったと思っています。そして、何より自分の想像を上回る映像や音、音楽を作り上げてくれた才能溢れるスタッフたちへ感謝の気持ちでいっぱいです」と充実のコメントを寄せた。
また、檀&岸部に対しては、「おふたりはが望んでいることを瞬時に理解され、毎回私の想像を大きく上回る芝居を見せて頂きました。このような方々とご一緒できる時間は監督として大きな喜びのひとつでした」と述べている。「轢き逃げ 最高の最悪な日」は、19年5月10日から全国で公開。
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