石井岳龍監督、「パンク侍」映画化にかかった14年の効果を明かす
2018年10月31日 17:00

[映画.com ニュース] 綾野剛が主演した「パンク侍、斬られて候」が10月30日、東京・六本木で開催中の第31回東京国際映画祭の「Japan Now」部門で上映され、メガホンをとった石井岳龍監督、同部門のプログラミング・アドバイザーである安藤紘平氏がティーチインを行った。
芥川賞作家・町田康氏の同名時代小説を、宮藤官九郎の脚本で映画化。黒和藩の筆頭家老・内藤帯刀(豊川悦司)は、藩の派閥争いに勝つため、新興宗教団体「腹ふり党」の利用を思いつくが、すでに党は解散していた。内藤は、剣の腕は立つがプータローの掛十之進(綾野)に偽の腹ふり党を結成させ、全てが終わった後に潰す計画を立てる。しかし、偽の腹ふり党は思わぬ支持を得て、やがて藩を脅かす存在に発展していく。

2004年の原作発売当初から映画化を考えていたという石井監督は、「(映画化に)14年かかっているんですよね。当時は作品の世界観に理解が得られず、お金が集められなかった」と振り返る。「今の世の中の流れはすごく早いので、14年前の原作だと古く感じるのではないかと思っていたんですが、そんなことはなくて。この映画の世界観に日本とかアメリカの社会が近付いている感じがします」と、完成までの年月がもたらした効果を明かした。安藤氏は「この国は崩壊している」という内藤のセリフを挙げ、「日本はどこに行こうとしているのか、ということが描かれていますよね」と賛同した。
映画の機能について問われ、石井監督は「時代を映す鏡」「ちょっと自分たちを冷めた視点から笑いながら見るもの」と語る。安藤氏の「この映画はエンターテイメントという虚構のはずなのに、同時にすごく現実を感じる。それこそが映画だと思いました」という言葉に、石井監督は「『嘘の果て』を作りたかった。現実を凝縮して煮詰め果てたところにある嘘です。(反対に)フィクションの最果てにこそ、現実を照り返すものがあると思ってます」と熱弁した。
第31回東京国際映画祭は、11月3日まで開催。
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