吉田羊、虐待母を演じた苦悩「思考回路が理解できず」
2018年10月30日 20:30

[映画.com ニュース] 女優の吉田羊が10月30日、都内で行われた出演作「母さんがどんなに僕を嫌いでも」の完成披露試写会に出席。本作で息子を心身ともに傷つける虐待母を演じ「どうして虐待をしてしまうのか。思考回路が理解できず、どう演じたらいいのかわからなかった」と苦悩を語った。
小説家・漫画家の歌川たいじによる同名コミックエッセイを実写映画化。幼い頃から大好きな母・光子(吉田)に愛されることなく育った息子のタイジが、壮絶な家庭環境から抜け出しながらも、やがて母と向き合う覚悟を決める姿を描く。この日は、タイジを演じる主演の太賀、メガホンをとった御法川修監督(「すーちゃん まいちゃんさわ子さん」)も登壇した。
原作者である歌川氏から多くのエピソードを聞き取ったという吉田は「聞けば聞くほどひどい話ばかりだったが、歌川さんが『それでも一生懸命に生きた人だった』と笑顔で話す姿を見て、この気持ちが伝わればいいのかなと思った」と回想。「私が演じる母親が未熟であればあるほど、逆説的に息子が母の愛を求めている。なかば願うような気持ちだった」と語った。
一方、息子のタイジを演じた太賀は「歌川さんはどれだけの思いで、原作を書き上げたのか。壮絶な人生ですが、物語の本質は悲しみを乗り越えて、生きる力強さだと思う」と力説。現場には毎日のように歌川氏が「応援に来てくれて、支えてくれた」そうで、「でも、意図して深いコミュニケーションは取らず、たたずまいや表情を盗み見て、演じるヒントにした」と役作りを振り返った。
完成披露試写会には人気ボーカルグループ「ゴスペラーズ」が駆けつけ、映画の主題歌「Seven Sea Journey」をサプライズで生披露。御法川監督が「皆さんが映画のために、たくさんの候補曲を用意してくださった。こんなに愛情深い主題歌を作っていただき光栄」と感謝を伝えると、メンバーの安岡優は「愛すること、愛されることは、一人ではできない。その難しさ、美しさを一人では歌えないスタイルで、5人で歌わせていただいた」と話していた。
「母さんがどんなに僕を嫌いでも」は11月16日から東京・新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座、イオンシネマほか全国公開。
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