石田祐康監督「ペンギン・ハイウェイ」“お姉さんのおっぱい”に込めた人の温もり
2018年10月30日 15:00

[映画.com ニュース] 森見登美彦氏の小説を、新鋭・石田祐康監督がアニメ映画化した「ペンギン・ハイウェイ」が10月29日、第31回東京国際映画祭のJapan Now部門で上映された。石田監督は、TOHOシネマズ 六本木ヒルズでのトークショーに出席した。
短編「陽なたのアオシグレ」「台風のノルダ」を手がけたスタジオコロリドの第1回長編作品として製作された本作は、少し生意気な小学4年生・アオヤマ君に待ち受ける、ひと夏の不思議な体験を描いた。海のない住宅地にペンギンが出現する事件が発生し、謎を解くべく研究をはじめたアオヤマ君は、歯科医院のお姉さんが投げたコーラの缶がペンギンに変身する瞬間を目撃する。
アオヤマ君は「お姉さんのおっぱい」に興味津々のため、ティーチインでは「この作品は、おっぱいが魅力的で、描写が素晴らしかったです。特に、お姉さんがアオヤマ君を抱きしめる場面で、胸が動く様子に慈愛を感じました。監督のおっぱいに対する思い、描き方への思い入れを教えてください」という質問があがった。
石田監督は、同シーンの意図を「アオヤマ君は最初は、もやもやした気持ちに対して『この気持ちはなんだろう』と問うていきます。お姉さんも、弟分としてアオヤマ君をかわいがっている。あのシーンでは、それを超えて、ある種2人が人として惹かれ合っている」と説明。「お姉さんは、これだけ自分に向き合って、自分のためにがんばってくれる少年に、人として信頼を置いている。『ありがとう』という気持ちを伝えたい、温かい気持ちがあるというか。おっぱいと言うと、こっぱずかしい話になってしまいますが、あのシーンは、アオヤマ君が人の温かみに触れるシーンとして、とても大切なものでした。お姉さんが“人間としての温かみを持っている”という、ひとつの象徴としても、描かなければいけなかったんです」と明かした。
「10回見た」という熱烈なファンの「森見先生の許可を得て、続編を作れるならやりますか?」という質問に対しては、「ちょっと恐れ多くて……、話が出たとしても僕の方から『やめておきましょう』と言うかもしれないですね」と苦笑い。「この作品の『曖昧さ』というキーワードで考えると、続きを描かないで想像に委ねた方がいいのかな。アオヤマ君の未来を『研究をやりとげてお姉さんに会うだろう』と考える人もいるが、お姉さんのアオヤマ君への“問いかけ”はアオヤマ君の一生を縛る呪いでもあるかもしれない。それは人それぞれですもんね。ということを考えると、怖くてなかなか(笑)」と明かす。
さらに、「可能性がなくもないと思えるのは、むしろ過去。森見先生の『郵便少年』という(『ペンギン・ハイウェイ』の前日譚を描いた)作品があるのですが、そういったものの方がまだ描きやすいかな。まだ『描きたい!』とは言えませんが(笑)。あれも素敵な作品ですよね」と付け加えた。
第31回東京国際映画祭は、11月3日まで六本木ヒルズ、東京ミッドタウン日比谷などで開催。
Amazonで関連商品を見る
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
映画ラストマン FIRST LOVE
「ドラマの映画化か~」と何気なくつぶやいたら後輩から激ギレされた話「これ超面白いですから!!」
提供:松竹
筋肉・秒殺・脱獄・名作でストレス即・爆・散!!
【全部無料の神企画】最強映画フェスで自分を劇的チェンジ!! 1年の疲れを吹き飛ばそう!!
提供:BS12
“愛と性”を語ることは“生きる”を語ること
【今年最後に観るべき邦画】なじみの娼婦、偶然出会った女子大生との情事。乾いた日常に強烈な一滴を。
提供:ハピネットファントム・スタジオ
こんなに面白かったのか――!!
【シリーズ完全初見で最新作を観たら…】「早く教えてほしかった…」「歴史を変える傑作」「号泣」
提供:ディズニー
映画を500円で観よう
【2000円が500円に】知らないとめっっっっっっっちゃ損 絶対に読んでから観に行って!
提供:KDDI
今年最大級に切なく、驚き、涙が流れた――
双子の弟が亡くなった。僕は、弟の恋人のために“弟のフリ”をした。
提供:アスミック・エース
ズートピア2
【最速レビュー】「前作こえた面白さ」「ご褒美みたいな映画」「最高の続編」「全員みて」
提供:ディズニー