カンヌ出品作「寝ても覚めても」公開 1人2役の東出昌大を愛したヒロインが涙
2018年9月1日 14:33
[映画.com ニュース]第71回カンヌ映画祭のコンペティション部門に出品された映画「寝ても覚めても」が9月1日、全国42館で公開初日を迎え、主演の東出昌大をはじめ共演の唐田えりか、瀬戸康史、山下リオ、伊藤沙莉、渡辺大知、濱口竜介監督が東京・テアトル新宿での舞台挨拶に出席した。
芥川賞作家・柴崎友香氏の恋愛小説を、「ハッピーアワー」の濱口監督が映画化。異色ラブストーリーでヒロイン役を務めあげた唐田は、最初の挨拶で「本当に大好きな作品が……、泣きそう!」と声を詰まらせる。瞳に涙を光らせながら「昨日の夜はクランクインの前日より緊張しました。今日を迎えることが、嬉しくもあり寂しくもあります。でも皆さんに届けることが出来て、本当に幸せです」と懸命に思いの丈を述べると、場内を温かい拍手が包み込んだ。
正反対のキャラクターを1人2役で演じわけた東出は、「登場人物たちの行動には賛否があると思います」と切り出す。満場の客席に向けて「その賛否が、僕は嬉しいです」と呼びかけ、「ラブストーリーとはいえ難解な要素が含まれている。ただ、この映画の根底に流れる愛しさや憎しみに、嘘はないです。現場では、奇跡の連続がありました。帰り道で余韻をかみしめてもらえれば幸いです」とメッセージを託した。
また東出は、カンヌでの取材を振り返り「フランス人ジャーナリストに、お国柄なのか文化の違いなのか、(物語について)『婚約している女性がとある行動をとると、男はあんなに怒るのか? フランスだったら怒らない』と言われたり、『この映画はホラーなのか』と聞かれたり、面白かった」と明かす。これには濱口監督も「ラブホラー的な(笑)」といい、「あと『ゴースト・ストーリーなのか』と言われたり、そう見えるのかと面白かった」と満足げだった。
さらにこの日は、原作者・柴崎氏が花束を携えてサプライズ登場。「この小説は自分のなかでも大事な、転機になった作品。執筆から時間が経ち、見たことがないような心かき乱される素晴らしい映画が生まれて嬉しい」と言葉が贈られると、東出は「感謝の念しかないです。実は、柴崎さんは劇中に参加していて。焼き肉屋で食事している様子が映っています」と説明していた。
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