J・ビノシュ「Vision」公開祝し登壇!河瀬直美監督は「万引き家族」PR
2018年6月9日 18:35

[映画.com ニュース] 仏女優ジュリエット・ビノシュと俳優・永瀬正敏がダブル主演した「Vision」(河瀬直美監督)の公開記念舞台挨拶が6月9日、東京・新宿ピカデリーで行われ、ビノシュ、永瀬、夏木マリ、岩田剛典、美波、河瀬監督が登壇した。
「Vision」はフランスからやってきたエッセイスト、ジャンヌ(ビノシュ)がすべての痛みを消し去るという幻の薬草ビジョンを求めて奈良・吉野を訪れ、山守の男・智(永瀬)、青年・鈴(岩田)らと運命的な出会いを遂げるというストーリー。シックなロングドレスで登場したビノシュは「日本に訪れるときは東京、大阪にしか行きませんが、吉野という奥深い場所を訪れ、本当にいろんな体験を共有できました。みなさんは今ある影の部分を明るくしたいと思っているはず。そういう時は苦しい部分に向き合うことが大切なんです。『Vision』は神話のような物語で、映画は可能性のシンボルだと思います」と話した。
永瀬は劇中のジャンヌと智としてデートしたエピソードに触れ、「神社に行き、お昼ご飯を食べながら、いろんなものに『美しい』とおっしゃっていました。どこか深いところを見ていらっしゃったんだなと思いました」というと、ビノシュは「空気、光、色を感じていました。もっと深く言うと、生きていることがうれしい、ということです。普段は都会にいますが、自然に帰って、穏やかな日々が過ごすこと、その起源に帰り立つということが必要です。しかも、一人ではなく、河瀬監督という個性豊かな監督を始め、キャストやスタッフとシェアでき、喜びが倍増したような気持ちでした」と話した。
ビノシュとの共演で英語のセリフに初挑戦した岩田は「どうしようかと思った。吉野で生活をしつつ、日常会話でアドリブが返せるように練習しました。(ビノシュには)包み込む母性で助けていただきました。目と目で伝わるものがあった」と言うと、ビノシュは「何かあなたを知っているような、そんな気持ちがしましたよ」。特別な関係で結ばれた役を演じた2人は、映画を通じて言葉を超えた関係を構築したようだった。
カンヌ国際映画祭の常連である河瀬監督は、6月8日の同日公開となった是枝裕和監督の「万引き家族」に触れ、「1980年代後半から(是枝監督と)並走している形で映画を撮っているような気がしていましたが、同じ日に公開は初めて。しかも、是枝さんは今年、パルムドールを受賞された。映画で描かれているのは、日本の社会の見えない部分。この時代、この世界、この先の一歩をどう踏み出したらいいのか、深く考察されている素晴らしい映画だと思います」と絶賛する。
「私たちの『Vision』で描かれる吉野の山も、人が訪れることはほとんどありません。森が築いている時間を、ほとんどの人が知らないんです。その森に、フランスからやってきたジャンヌが分け入ってきた。去年のカンヌでパルムドール受賞者のプレゼンターとして登壇したジュリエット・ビノシュさんは『映画は光だ』とおっしゃっていた。光がなければ、私達は存在しない。見ることもできない。色も分からない。その原点に立ち返って、長編10作目を作りました。いま、映画館にいるほとんどの岩田さんのファンのみなさんも、私達と一歩を踏み出して、また、『万引き家族』も見に行ってください」とライバル作品も宣伝していた。
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