ハーベイ・ワインスタインついに逮捕

米ニューヨーク・マンハッタン地検は今回の逮捕・訴追について、2人の女性をめぐる別々の事案に対する容疑だと説明するにとどまったものの、訴追資料などからそのうちの１件は2004年にワインスタイン容疑者がニューヨーク市内のオフィスで、当時大学生だった女優志望のルチア・エバンスさんにオーラルセックスを強要した事件、もう１件は同市内のホテルで匿名の女性をレイプしたとされる13年の事件であることが判明している。

同日朝、大勢の報道陣が待ち構えるなか、マンハッタンのニューヨーク市警トライベッカ分署に出頭したワインスタイン容疑者は逮捕後、パスポートの提出やGPS監視装置の常時着用、事前許可なしの旅行の制限などを含む諸条件に合意のうえ、保釈金100万ドル（約1億1000万円）を支払い保釈された。ワインスタインの弁護人を務めるベンジャミン・ブラフマン氏は記者団を前に、あらゆる性的な行為は同意の上だったと改めて容疑を否認したうえで、ただちに控訴棄却を求める不服申立てを行う意向だと述べた。米Deadlineが関係者から入手した話によれば、検察当局はワインスタイン容疑者を第1級法定強姦ならびに第1級犯罪的性行為の罪に問う構えであり、有罪判決が下った場合、最大で25年の禁固刑を言い渡される可能性もあるという。

また、昨年10月のニューヨーク・タイムズ紙の暴露記事をきっかけに、ワインスタイン容疑者の長年にわたるセクハラ行為が明るみに出て以来、これまでに80人以上の女性が被害を名乗り出ており、今回逮捕・訴追に踏み切ったニューヨーク市警のほかにも、ロサンゼルスとビバリーヒルズ、イギリス・ロンドンの警察による捜査が継続中であることから、民事訴訟も含め、今後さらなる罪に問われる可能性も大いにある。

ワインスタイン逮捕の瞬間に全米が釘付けになるなか、Twitterは過去に被害を受けたことを告白していた女優を含む多くの女性たちの歓喜のコメントで沸き立った。ワインスタインによる性的暴行を真っ先に告発したひとりである女優ローズ・マッゴーワンが、「ついに捕まえたわ。ハーベイ・ワインスタイン、覚悟しなさい」とツイートした一方で、同じくニューヨーカー誌を通じて性的被害を告発していた女優ミラ・ソルビノは、「勇気を出してモンスターに立ち向かった世界中の姉妹たちに愛を込めて、今日という日を贈ります。みんなのことを心から誇らしく思う。本当にありがとう」とエモーショナルなコメントを寄せた。

ワインスタイン容疑者の第1回公判は、7月30日に予定されている。