50着以上も製作!「ファントム・スレッド」オスカー受賞衣装の製作風景公開
2018年5月10日 14:00
[映画.com ニュース] 第90回アカデミー賞の衣装デザイン賞を受賞した「ファントム・スレッド」の衣装に焦点を当てた特別映像が、公開された。
「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」のポール・トーマス・アンダーソン監督とオスカー俳優ダニエル・デイ=ルイスが再タッグを組んだ異色のラブストーリー。舞台は1950年代のロンドン。オートクチュールの仕立て屋レイノルズ・ウッドコック(ルイス)と、ウッドコックのミューズとなった若きウェイトレス、アルマ(ビッキー・クリープス)の危うくも美しい恋の駆け引きを描く。
計50着以上もの衣装が製作されたことでも話題を呼んでいる本作。映像中では、劇中を彩る衣装の数々が惜しげもなく映し出され、「アーティスト」「世界にひとつのプレイブック」「キャプテン・フィリップス」などオスカー関連作に数多く携わってきた衣装デザイナー、マーク・ブリッジスやスタッフが舞台裏を解説している。
各ドレスの製作風景も明かされ、ブリッジスは「実際に手を使って、生地を切りトレーン(ドレスの引き裾)を付けた。とても大変な作業だったよ。ドレスには数百メートルの生地を使ったんだ。フランドル地方で作られた、貴重なレースも使ったよ。レースを切るとき、心臓が止まった気がした。切り方を間違えたら、大変なことになるからね」と苦労を語る。
ウッドコックの工房で働く職人役には、実際の仕立て職人を起用。ビディ役のスー・クラークとナナ役のジョーン・ブラウンは現場で時代考証も行ったといい、「花嫁衣裳を扱うシーンでは、最初全員が手袋をしてた。でも“それは不自然よ”と私たちが指摘したの」(クラーク)、「当時にふさわしいディテールが映画に必要だった」(ブラウン)とエピソードを披露している。
「ファントム・スレッド」は、5月26日から全国公開。