イタリアの名匠エルマンノ・オルミ監督が86歳で死去
2018年5月8日 15:30

[映画.com ニュース]「木靴の樹」でカンヌ国際映画祭のパルムドールに輝いた、イタリアの名匠エルマンノ・オルミ監督が5月5日(現地時間)、イタリア北部のアジアーゴの病院で死去した。享年86歳だった。
米バラエティによれば、オルミ監督は妻と子どもたちに看取られ息を引き取った。死因は不明だが、以前から体調を崩していたという。
1931年7月24日、伊トレビリオに生まれたオルミ監督は、ニューヨークのアメリカン・アカデミー・オブ・ドラマティック・アーツへ留学し、52~61年にかけてミラノの電力会社で働きながら、40本以上の短編映画と会社の記録映像を制作。自身で製作を手がけた初の商業映画監督作「Il Posto(英題:The Job)」(61)はベネチア国際映画祭で好評を博し、以降、農村での暮らしや階級構造、カトリック教義をテーマに、現実に根ざした作品を生み出してきた。
78年の「木靴の樹」では、19世紀末の北イタリアの農村を舞台に、貧しい生活を強いられながらも大地とともに力強く生きる農夫たちを描き、カンヌのパルムドールを受賞。その後、「偽りの晩餐」(87)でベネチア国際映画祭の銀獅子賞と国際評論家賞、「聖なる酔っぱらいの伝説」(88)で同映画祭の金獅子賞を受賞した。同映画祭では04年に生涯功労金獅子賞を贈ろうとしたが、オルミ監督は「まだつくるべき映画がある」と辞退、その4年後の08年に賞を受け取った。12年に死去したカルロ・マリア・マルティーニ枢機卿のドキュメンタリー映画「Vedete, sono uno di voi(原題)」(17)が遺作となった。
オルミ監督の訃報を受け、マーティン・スコセッシ監督は「60年代の偉大な映画監督の最後のひとりだった」と声明を発表。初期の作品に深く感銘を受け、自分だけでなく後世の映画監督たちが影響を受けていることを語り、「芸術家としてのオルミ、そして彼の作品と同じように温かく人間味にあふれたオルミ自身を恋しく思うだろう」と故人をしのんだ。
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