“家事の値段”はいくら? 金額知らされ「家族はつらいよ」女優陣が驚き
2018年5月1日 22:30
[映画.com ニュース] 山田洋次監督による人気シリーズの最新作「妻よ薔薇のように 家族はつらいよIII」の女性限定トークイベントが5月1日に都内で開催され、吉行和子、夏川結衣、中嶋朋子、蒼井優ら女優陣が勢ぞろい。映画にもエキストラで出演しているという東京大学・柳川範之教授を聞き手に、観客から寄せられた“主婦の不満”についてトークを繰り広げた。
本作でスポットが当てられるのは、平田家を陰で支えていた史枝(夏川)。ある日、平田家に空き巣が侵入。その後、夫・幸之助(西村まさ彦)から心ない言葉を受けた史枝は、我慢が限界に達し、家を飛び出してしまう。史枝の不在により、平田家は大混乱に陥る。吉行は家長・周造(橋爪功)の妻・富子、中嶋は長女の成子、蒼井は次男・庄太(妻夫木聡)の妻・憲子を演じている。
女性客からは、「食事の支度くらい手伝え」「人の話を聞かない」「“家事ハラ”やめて」「私は家政婦じゃない」「自由があっていいですね」と夫や家族に向けた不満が続出。蒼井は、「自分は独身なので好きなときに好きなことをやればいいけど、史枝さんは家族分(家事を)やっているからすごい。メニューも毎日考えないといけないわけだし……」とねぎらいの言葉をかけた。さらに、柳川教授から「家事を年収に置き換えると、720万円(家事代行サービスに頼んだ場合の総額)」と聞かされると、女優陣からはどよめきが上がった。
柳川教授は、「主婦の方は、“深夜残業”があるため、月収は最低60万円以上もらってもおかしくない」と語り、「愛情や思いやりが強いと、低賃金や無償でも必死になって働いてしまう傾向がある。主婦が求めているのは、お金そのものよりも働きを評価してくれる気持ち、主婦に対する愛情なのではないか。家事は“やって当たり前”ではない。分担を行い、家事労働にも休日を作ることなどが大事」と円満な家庭を作る秘けつを絡めて提案。柳川教授のトークに聞き入っていた吉行は「すごいなあ。奥さんって本当に大変」と感嘆の表情を見せ、蒼井は「仕事もそうで、不眠不休でやってしまうもの」と働く女性の立場から意見を述べた。そんななか、夏川は「思いやりは基本、家事労働関係なくいただきたい」ときっぱり。主婦の気持ちを代弁した切り返しに、女性客は深くうなずいていた。
「妻よ薔薇のように 家族はつらいよIII」は、5月25日から全国公開。