「カッコーの巣の上で」「アマデウス」巨匠ミロス・フォアマン死去
2018年4月16日 12:00

[映画.com ニュース] 「カッコーの巣の上で」と「アマデウス」でアカデミー賞監督賞に2度輝く名匠ミロス・フォアマン監督が4月13日(現地時間)、米コネチカット州ウォーレンの自宅で死去した。86歳だった。
1932年、旧チェコスロバキアのカスラフに生まれたフォアマン監督は、両親をアウシュビッツで亡くし、親戚や友人の家を転々として育つ。プラハの国立映画学校を卒業後、長編監督2作目となる「ブロンドの恋」(65)と3作目「火事だよ!カワイ子ちゃん!」(67)が立て続けにアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされたことで、一躍チェコ映画界期待の星となったが、同国の民主化運動「プラハの春」を弾圧するため旧ソ連が軍事介入した68年の通称「チェコ事件」を機にアメリカに移住。以降、ニューヨークを拠点に活動した。
オレゴンのある精神病院を舞台に、体制に抗う主人公の姿を通して人間の尊厳と社会の不条理を描いたヒューマンドラマの傑作「カッコーの巣の上で」(75)では、アカデミー賞作品賞・監督賞・脚色賞・主演男優賞(ジャック・ニコルソン)・主演女優賞(ルイーズ・フレッチャー)の主要5部門を受賞。その後、ブロードウェイの大ヒットミュージカルを映画化した「ヘアー」、20世紀初頭のアメリカを背景に、さまざまな人種の人々が織りなす人生模様を描いた「ラグタイム」といった秀作を経て84年、「アマデウス」を発表。19世紀の楽聖ウォルフガング・アマデウス・モーツァルトの半生を、彼を妬む宮廷音楽家サリエリの視点から描いたピーター・シェイファーによる戯曲の映画化である同作は、アカデミー賞11部門でノミネートを獲得、作品賞・監督賞・主演男優賞を含む主要8部門を制して大きな話題を呼んだ。
75年にアメリカの市民権を獲得、名門コロンビア大学の映画学部教授として、後進の育成にも貢献したフォアマン監督にとって、ハビエル・バルデム主演で画家ゴヤの人生を描いた2006年の「宮廷画家ゴヤは見た」が最後の監督作となった。
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