ヘアー

劇場公開日:

解説

ベトナム戦争真只中の60年代を背景に、田舎からニューヨークにやって来た1人の若者とヒッピーたちの交流を中心に、愛と平和と人間性の回復を謳いあげたブロードウェイのヒット・ミュージカルの映画化。製作はレスター・パースキーとマイケル・バトラー、監督は「カッコーの巣の上で」のミロシュ・フォアマン、脚本はマイケル・ウェラー、撮影はミロスラフ・オンドリチェク、音楽はガルト・マクダーモット、編集はリンジー・クリングマン、製作デザインはスチュアート・ワーツェル、衣裳はアン・ロス、振付はトゥイラ・サープ、作詞はジェローム・ラグニとジェームズ・ラドーが各々担当。出演はジョン・サヴェージ、トリート・ウィリアムズ、ビヴァリー・ダンジェロ、アニー・ゴールデン、ドーシー・ライト、ドン・ダカス、シェリル・バーンズ、リチャード・ブライトなど。日本語版監修は高瀬鎮夫。テクニカラー、ビスタサイズ。1979年作品。

1979年製作/アメリカ
原題:Hair
配給:ユナイト映画
劇場公開日:1980年4月26日

ストーリー

オクラホマの田園地帯の朝。1人の若者が、老いた父親の見送りを受け、ニューヨーク行きのバスに乗った。若者の名はクロード(ジョン・サヴェージ)。徴用兵としてベトナムに送られる前の2日間を利用し、ニューヨークを見ておこうというのだ。セントラル・パークに着いたクロードは、バーガー(トリート・ウィリアムズ)をリーダーとするヒッピーたちと知り合った。メンバーには黒人のハッド(ドーシー・ライト)、金髪のウーフ(ドン・ダカス)そして誰の子かわからないが妊娠しているジーニー(アニー・ゴールデン)らがいた。彼らの奇抜さに目を見張らせていたクロードの前を一頭の馬に乗った上流階級の美しい娘が通り、クロードの心を奪った。その日は、とりあえずバーガーらと一夜を明かしたクロードは、翌日、新聞の記事から、前日の娘が山の手ショート・ヒルに住むシーラ(ビヴァリー・ダンジェロ)であることをつきとめた。彼女の社交会デビューのパーティが行なわれている所へ、バーガーらはクロードのために乗り込んでいった。その会場には、上流階級のきどった人間がつめかけており、バーガーは、そんな連中に反撥してパーティを滅茶苦茶にしてしまった。そんなバーガーらの登場に権威の堕落に嫌気がさしていたシーラは目を見張った。騒ぎを起こした罪で裁判所にやっかいになった彼らは出所してからセントラル・パークの反戦大集会に合流するが、そこでクロードは、彼を捜し求めるシーラと会う。LSDに酔ったクロードは、いつしかシーラーとのファンタスティックな結婚式の幻想を見ていた。やがて、ワシントンの徴兵センターへ出頭したクロードは、ネバダのキャンプに送られ、苦しい訓練を課せられることになる。冬がやってきて、バーガーらと再会したシーラは、クロードからの手紙を手にし、彼に会いたい気持を打ち明けた。一行はクロードに会うためネバダヘ行く事に決めるが、キャンプでは、面会を禁止していた。一計を案じたバーガーは、自慢の長髪を切り落し、士官の1人をペテンにかけ、彼の制服を着込み、キャンプ内に潜入、クロードと入れ替ることに成功。数カ月ぶりの再会に感動するクロードとシーラ。しかし、その頃、皮肉にもキャンプでは、突如、前線出動命令が下っており、クロードの身替りにバーガーが輸送機に乗るはめになっていた。クロードが急ぎ兵舎に帰った時、機はすでに雲間へ消えていた。やがて、バーガーの戦死の知らせが入った。墓の前で悲しみを共にする仲間たち。しかし、彼らは本格的に立ちあがろうとしていた。一方、ワシントンのホワイト・ハウスでは取り巻く若者たちの怒りと熱気が爆発していた。(ユナイト映画配給*2時間)

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第37回 ゴールデングローブ賞(1980年)

ノミネート

最優秀作品賞(コメディ/ミュージカル)  
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映画レビュー

0.5ミュージカルは楽しくなけりゃ

2023年9月19日
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マサシ

4.5強烈な反戦メッセージが込められた物語

2023年2月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

「午前十時の映画祭」で鑑賞。

ほとんど内容を知らずに、そしてあんまり期待せずに鑑賞しましたが、いや~素晴らしかった。
序盤からは想像もできない展開にこころ震え、タイトルの意味するところがあきらかになり涙しました。

圧倒的な歌唱、ストーリーの疾走感、ぶっ飛んだ感じ、エナジー、ボルテージ……。
音楽とダンスだけでも鑑賞の価値ありです(演奏は、ベースとブラスがとくにカッコよかった)。

冒頭の“アクエリアス”のシーンと、社交界のパーティーの場面が圧巻です。それから大勢のエキストラをつかったビル街でのシーンも印象的だった。

さいごのオチは少しイージーな気がして「この結末どうなん」と頭に疑問符が浮かんだけれど、これはよく考えると、誰もが犠牲になり得る戦争の残酷さをあらわしたのかもしれないなと思い至りました。

全編にわたって若者へのあたたかい眼差しが感じられる、熱き友情の物語。
そしてこれは強烈な反戦メッセージが込められた物語です。

ほんとうにいい作品でした。
またひとつ大好きな映画ができました。

追記
機会があれば、ぜひ舞台も観たいです。

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peke

3.0共感出来ない世代

2023年2月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

寝られる

午前十時の映画祭12にて。
ベトナム戦争中の60年代に、西部の田舎からニューヨークに行った若者と長髪のヒッピーたちの交流を描いたミュージカル。

愛と平和と人間性の回復?後先考えない薬とフリーセックスと戦争反対の話かと思った。
この年代の人達にはどうも共感できない。日本は団塊の世代なんだろうけど、過去の栄光(ただ時代が右肩上がりだっただけなのに自分たちが頑張ったと言っている)に固執して、仕事してなかった先輩を思い出す。
合わなかった。

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りあの

5.0やっぱりいい

2023年1月27日
スマートフォンから投稿

封切り時もみた。約40年ぶりに見た。やはりいい(ロックミュージカルは好きだ)。舞台設定と違いがあり当時言われたようだが(数年前舞台も見た)、ミロシュ・フォアマンは良い、
楽曲「sodomy」に字幕がつかなかったのは時代か「LBJ」もだが。ジョンサベージが「日輪の遺産」2011年作品で久々に観たのも懐かしかった。

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テツヤ
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