世界興収9億ドル超、「ジュマンジ」はなぜここまでヒットした?監督&来日キャストが考察
2018年4月5日 13:00
[映画.com ニュース] 全世界興行収入約9億4000万ドル超と、特大ヒットを記録中の「ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル」を手がけたジェイク・カスダン監督、出演者のカレン・ギラン、ニック・ジョナスがそろって来日した。3人は映画.comの取材に応じ、世界的ブームになった理由について持論を展開した。
はみ出し者の高校生4人が、「ジュマンジ」というテレビゲームの世界に吸い込まれ、ゲーム内のキャラクターに変身してしまうさまを描いた本作。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズのネビュラ役で知られるギランと人気ミュージシャンのジョナスは共に“外見はゲーム内のキャラクター、中身はごく普通の若者”というギャップある役どころに挑戦している。
本作の最大の“売り”といえば、「レゴバットマン ザ・ムービー」「スパイダーマン ホームカミング」を手がけた名脚本家クリス・マッケーナ率いる脚本チームの斬新なアイデアだろう。筋骨隆々の人気スター、ドウェイン・ジョンソンがオタクな草食男子、ジャック・ブラックが今時の女子高生、ギランはセクシーキャラだが中身は奥手な“ガリ勉”女子、ジョナスはあるものが弱点の“隠れキャラ”をユーモラスに演じて見る者を爆笑させる。3つある“ライフ”を使いきってしまうと現実世界に戻れなくなるなど、テレビゲームの設定を往年の人気映画「ジュマンジ」と掛け合わせた手腕も見事だ。
カスダン監督は「まさかここまで幅広い方々に受け入れられるとは思っていなかった」と自身も衝撃を感じたといい、「この結果にスリルを感じているし、すごくうれしいよ! 僕たち自身が心から愛している作品を、世界中の方々がここまで好きになってくれてね」と笑顔を見せ、「大人の体に子どもが入ってしまったというコンセプトがものすごくパワフルであり最高のコメディ的な装置で、見ている人を強く引き付けてくれたんじゃないかと思う。本作は、ヒーローの体に入り込むことで、“こんなことが自分には可能なんだ”と気づいていく物語だ。人というのは、自分でも気づかないうちに制限を設けてしまって、本当だったらできることを押さえ込んでしまっている。でもこの経験を通して彼らは変化し、自分たちがやれることを実感し、自己肯定していく。本作には、そういったメッセージも盛り込まれているんだ」と続ける。
ギランは監督の言葉にうなずき、「子どもたちが他の人の体に入り込んで、“自分自身”を発見していくということが、見ている人に満足感を与えてくれるんじゃないかしら。親も子どもも同じジョークで笑える映画は最近珍しいと思うし、そういう意味ですごく楽しくて、家族全員で楽しめる映画になっているわ」と観客の目線に立った意見を述べ、ジョナスは「友情にまつわるストーリーを、普段の僕たちとちょっと異なった観点から見ることができたのが、素晴らしいと思う。自分がゲームの中に入って、新たにそこからものを見ていくというのはとても面白いよね。それに、ドウェイン(・ジョンソン)がティーンエイジャーの役をやったり、ジャック(・ブラック)が女性になったり、恐らく今まで見たことがないような彼らの姿を見られることで、さらに観客の心をつかむことができているんじゃないかな。僕は本作を3回も4回も見ているけど、毎回すごく楽しんでいるよ!」と付け加える。
劇中、ブレイブストーン博士(ジョンソン)がついつい“キメ顔”を繰り出してしまうなど、見る者をクスリとさせる小ネタがちりばめられているが、それらはスタッフ・キャストから出てきたアイデアをカスダン監督が1度吸い上げ、映画に還元するスタイルを取ったそうだ。その結果、チームに連帯感が生まれたことは想像に難くない。
「私たちみんなが色々なアイデアを持ち寄って作っていった、“寄せ鍋”みたいな作品なの。俳優たちも即興演技をやったし、監督からもたくさんアイデアをもらったわ」(ギラン)、「ヘリコプターのシーンはグリーンバックで撮っているんだけれど、チームワークによってそのシーンを作っていけたなと思う。皆がいたことで想像力がかき立てられたし、“化学反応”がすごく良かったんだ」(ジョナス)と出演陣が嬉々(きき)として語れば、「皆のアイデアをコラボレーションしていく現場だったね。監督というのは幸運なことに、色々な人が出してくれたアイデアを自分がやったかのように思ってもらえるんだが、今回はそういう訳じゃないんだよ」とカスダン監督がジョーク交じりにつないでみせる。このあたりの阿吽(あうん)の呼吸も、チームワークのなせる技だ。インタビューの開始前にも、皆で日本版の宣伝文句「マジジュマンジ」を連呼してふざけ合うなど、作品を通して培った“仲間意識”が存分に伝わってくる。
カスダン監督は、「映画の製作をしているときは、大人とティーンが響く物語にしたいと思っていた。言い換えれば、ユーモアのセンスも、自分自身がウケるようなもの。だから、必ずしも小さな子どもにアピールするようなユーモアは意識していなかったんだ。でも実際に映画が公開されてから、小さな子どももすごいウケてくれて、いい意味で驚きだった。(親、子ども、孫)3世代に同じように楽しんでもらえる作品になり、すごく特別な作品になったなとワクワクしているよ」と充実の表情を浮かべていた。
「ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル」は、4月6日から全国公開。
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